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【何競技、書けるかな? to TOKYO2020】優勝会見で大野将平が放った“返し技” 柔道世界選手権2019

 大野将平(28)は強い。戦い以外でもそう感じたことがありました。去年、日本武道館で行われた柔道の世界選手権の時です。

 海外から多くのメディアが来ていることもあり、国際柔道連盟は、メダリスト全員が登壇し、通訳が入る記者会見を先にやりたがっていました。ただ、会見終わりが23時近くになってしまうため、放送や原稿の締め切りが迫る日本のメディアは、短い時間でいいので、日本選手だけの早めの取材対応を求めていました。

 2分半ならと折り合いをつけてくれ、柔道連盟の広報が優勝した大野を日本のメディアの前に連れてきてくれたのですが、テレビの質問が始まった途端、国際柔道連盟の方がカメラの前に立ち、すごいけんまくで大野を記者会見に連れて行こうとしたのです。日本のメディアは「ノー!ノー!」と必死に抗議し、なんとか大野がインタビューに残ってくれることになったのですが、もう優勝の余韻なんて台無しです。なんとも微妙な空気の中で、優勝を振り返ってもらうしかありません。

 普通なら、淡々と試合を振り返るでしょう。しかし、大野将平は違いました。

 質問「今の率直な気持ちは?」

 大野「慌ただしいなと思ってます」

 質問者は優勝の心境を聞いたのですが、大野はそのまま今の気持ちを答え、険悪だった現場に笑いが起こります。一発で流れを変える思わぬ返し技でした。

 取材対応を終え、先ほどのけんまくを見たのなら、私だったら慌てて会見場に向かいます。しかし、大野将平は違いました。会見場へゆっくりと歩き進み、途中、中継キャスターだった村上信五さんと鉢合わせると、挨拶をし、写真を撮りましょうと大野から誘います。慌てる周囲のペースには流されないのです。

 ではマイペースなのかというと、記者会見では、ちゃんと前後の流れに沿った空気を読んだ発言もするのです。流れを変えることも、流れに乗ることもできるが、決して流されない。これが大野将平の強さです。(ちなみに翌日からは取材対応が先、記者会見が後に固定されました)

 ■砂山圭大郎(すなやま・けいたろう) 1975年6月30日生まれ。山口県出身。早稲田大学卒。98年文化放送入社。松坂大輔投手の番記者やサッカーW杯実況などを経て、夜の若者向け番組のパーソナリティーに。月~金「斉藤一美ニュースワイドサキドリ」のスポーツ枠担当を機に、本格的に五輪競技の取材に取り組む。現在は他に「ラジオのあさこ」「田村淳のニュースクラブ」などを担当。特技はフィギュアスケート!? 40歳のとき、番組の企画で初挑戦。元五輪選手の八木沼純子さんの指導を受け、大会にも出場した。

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