zakzak

記事詳細

中継ぎ投手には死活問題 「ワンポイント禁止」はペナントの行方を左右する

 大リーグ機構がキャンプインと同時にルール改正を発表。中でも、大きな波紋を呼んでいるのが投手は最低打者3人、またはイニング終了まで投げることを義務化。すなわち、ワンポイントリリーフの禁止だ。

 1960年以降、大リーグではリリーフ投手の台頭に伴い打者1人、ないし2人など限定した場面で登板する投手、いわゆるワンポイントリリーバーが出現。やがて、日本でも巨人相手に“王キラー”平岡一郎(元大洋)などが現れた。

 その後、80-90年代に元ホワイトソックスなどの名将トニー・ラルーサ監督によって、左のワンポイントが流行。同監督のもとで投げたトニー・フォッサス、歴代最多登板数を誇るジェシー・オロスコらスペシャリストも次々に登場した。

 しかし、2000年代に入ると、俗に“LOOGY”と呼ばれる左打者専門のリリーフ投手が減少。代わって、相手に関係なく三振を奪える剛腕投手が急増。昨年アストロズはサイン盗みとは別にリリーフ全員が右投手でリーグ優勝した。

 そこでロブ・マンフレッド・コミッショナーは時代の先を読み、試合時間短縮のための新ルールを適用。ただし、これまでの敬遠四球申告制やマウンドに行く回数制限などの変更と違い、試合の戦術に直接影響を及ぼすだけに物議を醸した。

 やはり、一昔前以上に小刻みな継投は多くなり、大事な試合になるほど“一人一殺”の勝負となる。今季からエンゼルスを率いる名将ジョー・マドン監督は「戦術の邪魔になる」と批判。新ルールによってペナントの行方も左右しかねない。

 一方、左のリリーフ投手には死活問題だ。マイナー苦節十年のライアン・バクター(アスレチックスFA)は「バカげている」と非難。36歳のベテラン、ジェリー・ブレビンス(ジャイアンツ傘下)は「仕事がなくなる」と危機感を募らせる。

 昨年アストロズの中継ぎとして優勝に貢献し、今年1月にナショナルズと3年2400万ドルで契約したウィル・ハリスのように左右関係なく、どんな相手でも抑えられるスペシャリストの時代がやってきそうだ。(大リーグ評論家・福島良一)

関連ニュース

アクセスランキング