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大相撲春場所“強行”の思惑 入場料収入10億円が消滅、死守したい放送権料5億円

 大相撲春場所(8日~22日=エディオンアリーナ大阪)は、やはり中止ではなく無観客で強行され、NHKで中継されることが決定した。

 新型コロナウイルス感染拡大を受け、日本相撲協会は1日、大阪で臨時理事会を開催。八角理事長(元横綱北勝海)は「いろいろな意見があったが、ファンのためにぜひ開催したいという思いだった」と説明し、力士に感染者が出た場合は、その時点で中止する意向を示した。

 力士数は650人で、親方、行司などを含めると、協会員は約900人。幕下以下は大部屋で生活する。体調管理を徹底させ、移動には公共交通機関をなるべく使わず接触を避け、感染リスクの減少を図るが、綱渡りの15日間となる。

 春場所は昨年まで4年連続で満員札止めを記録。今年は無観客開催で10億円超の入場料収入が消えた。せめて1場所約5億円のNHK放送権料だけは確保したいという思惑で、強行に踏み切った感は否めない。

 大相撲は2011年に八百長問題で春場所、巡業を中止、5月は無料の技量審査場所とし、2場所と巡業の入場料収入とNHKの放送権料(約10億円)が消滅。相撲案内所や巡業勧進元(主催者)への中止による損失補てんなど3億7000万円が発生し、年間約49億円の大赤字となった。

 当時は“冬の時代”で、春場所でも満員御礼になるのは数日。5日だけだった春巡業も、今年は26日もあり、これらが中止となれば、当時とは比較できない収入減となる。

 さらに懸念されるのは春場所後の余波だ。東京場所の観客は、スカイツリー、浅草などを巡る外国人やツアー客が多いが、5月の夏場所で団体予約のキャンセルが相次いでいるという。「われわれは人気商売。これからの方が大変かもしれない」と協会幹部は不安を募らせた。もちろん春場所が途中で中止となれば、強行した協会執行部の責任は避けられない。

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