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【俺の人生第二幕 コロナ激闘編】「経営者」と「従業員」…立場での考えの差を痛感 プロ野球選手は開幕未定でも「まだ救いがある」 元横浜・那須野巧氏

 元横浜(現DeNA)、ロッテ投手の那須野巧氏(37)は2011年に現役引退後、東京都板橋区で鉄板焼き店「ひだまり」を切り盛りしてきた。新型コロナウイルスの影響で営業自粛中に浮き彫りになった、従業員たちと経営者である自分の置かれている立場の違いを、改めて痛感しているという。 (取材構成・山戸英州)

 お店は2014年11月オープン。普段は30席のほとんどが埋まっていました。異変を感じたのは3月中旬。団体客の足が一気に遠のき、最後は一般客が1日2組まで落ち込みました。感染拡大防止のため4月13日から現在も閉店したままです。

 前年同月比で50%以上、売り上げが減少した事業者が申請できる持続化給付金は中小法人の場合、200万円が給付されます。これはうちの1カ月の売り上げ相当分。そのほか、東京都の感染拡大防止協力金なども申請していますが、大きな問題点はすぐに振り込まれないこと。従業員への給与など、とにかく立て替えをしないといけない。飲食関係の方とも話をしますが、皆さん、ここに最も悩まれています。

 それでもお店を存続できるように、ランチタイムに店を開けたり持ち帰りで商品を売ったり、1日1万円でも売り上げを立てて家賃代などを稼ぐお店もありますが、うちはできていません。

 店を開けるということは当然、感染リスクが伴うわけで、自分1人だけならまだしも、2人いる従業員が納得しないとお店が回せないのです。身内の立場である従業員に無理やり、「出てきて」とは言えません。

 ただ、従業員は後に雇用調整助成金である程度、給与がカバーされる予定。一方で私には1円も入らない。仕事に対するモチベーションは違ってきます。「経営者」と「従業員」、それぞれの立場は理解していたつもりでしたが…。ここまで考えに差が出るとは、と痛感しています。

 今後、政府の緊急事態宣言が解除されれば店を再開させる予定です。とにかくお客さん、従業員の「安全第一」を考えないといけない。客足も当面はこれまでの5割から6割程度が続くと覚悟しています。

 となれば、どこまで借金をして資金繰りを維持できるのかがポイントになる。お金を突っ込むにも限界があるわけで、それが見通せないのは相当、ストレスになっています。

 メンタル的にキツい状態にあるのは、長年お世話になったプロ野球の世界にいる選手たちも同じでしょう。開幕時期が見えない中での練習は大変だと思います。ただ、開幕が延びてもその期間、練習することで自らの能力アップにつなげられる職業であることは、飲食業との大きな違いです。そこを冷静に見て、「まだ救いがあるな」と思ってもらえたら、光は見えてくると思います。

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