“ラグビー合宿の聖地”がピンチ! W杯盛況もコロナ禍が直撃、感染防止へ「ワンチーム」で取り組み - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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“ラグビー合宿の聖地”がピンチ! W杯盛況もコロナ禍が直撃、感染防止へ「ワンチーム」で取り組み

 北海道や長野県にあるラグビー夏合宿の聖地がピンチだ。ラグビー・ワールドカップ(W杯)の盛況を受けて例年以上ににぎわうはずが、新型コロナの影響で予約が入らない。地元関係者が頭を抱える中、かつて聖地に汗と涙を染み込ませたラガーマンから応援の輪が広がり始めた。

 W杯で大躍進した日本代表が、大会直前に合宿した北海道網走市。8月の平均気温が20度を下回る冷涼な気候と、市営のトレーニング施設の良質な芝を売りに、トップリーグや大学の約10チームが毎夏、合宿を行う。

 しかし今夏は、いまだ受け入れ決定ゼロの「異例の状況」(市担当者)。3月に大学チームから問い合わせがあったものの、感染拡大後にキャンセルの連絡が来た。担当者は「盛り上がりを期待したが今年は厳しい。秋ごろから来年の受け入れに向けて動き始められたら…」と肩を落とした。

 長野県上田市の菅平高原は民間ホテルなどが所有するラグビー場が100面以上あり、宿泊施設も約100軒。1930年代から大学チームを受け入れ始めた日本最大級の合宿地だ。昨夏は800超のチームが訪れ、W杯前にはイタリア代表も練習を行った。だが今夏は6月時点で受け入れが確定しているのは15チームしかない。

 菅平高原観光協会などによると、サッカーや陸上など他の競技も含めると例年5~10月に約1600チーム、関係者約55万人が訪れる。菅平高原旅館組合は4月に行った調査を基に、2月下旬~7月末の損失をキャンセル人数15万人超で10億円超と推測。観光協会事務局の大日方(おびなた)孝さん(64)は「実際の損失は計り知れない」と地元経済への打撃を案じる。

 この難局に「合宿経験者から『聖地のために手伝わせて』という声が寄せられている」と話すのは、旅館組合の副組合長で「菅平プリンスホテル」専務の大久保寿幸さん(47)だ。

 元ラガーマンの呼び掛けを機に地元有志でプロジェクトを立ち上げ、今月後半からクラウドファンディングを実施。ホテルや旅館が拠出する組合費の負担軽減に充てる。支援者を「スガダイラーズ」と名付け、オリジナルTシャツやグラウンド命名権を返礼品にする。

 旅館組合もコロナ対策の指針を作成。ワンチームでの感染防止を目指し、食堂や浴場での人数制限といった協力を利用者に求めている。

 大久保さん自身も会員制交流サイト(SNS)を通じ、なじみのチームの最新情報や菅平の予約状況を発信する。「リスクを考えると『来て』とは言いづらい。最後はチームの判断ですが」と前置きした上で、「この夏もラグビーの菅平にしたい。態勢を整えて待ってます」と呼び掛けている。

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