【中山徹 俺にも言わせろ】松山英樹に与えたい…帝王ニクラウス流アドバイス - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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松山英樹に与えたい…帝王ニクラウス流アドバイス

 憧れの帝王ジャック・ニクラウスの生のプレーを見たのは、俺が現役の時だった。千葉の習志野CCにジャンボ(尾崎)とのスキンズマッチで来日し、俺はニクラウスの全ショットをアドレス後方から目にじっくりと焼き付けた。

 クラブフェースを開いてフェードを、閉じてドローボールを打ち分けてみせてもくれた。球筋の違いで距離差は15ヤードあるものの、ボールは同じライン上に止まっている。見事だった。ドライバーショットは確実にフェアウエーをとらえ、ジャンボのドライバーショットをつねに20ヤード以上もアウトドライブしていた。

 パー5ホールでのこと。フェアウエーの立ち木にボールが当たってしまい、ニクラウスのボールはフェアウエー左サイドの林へ。このトラブルをどう切り抜ける? さすがの帝王もフェアウエーに一旦出すしかないか。そんな俺の予想は簡単に覆された。

 林の上方にわずかなスペースが空いているのを見つけると、まさに針の穴を通すような見事なショットを8番アイアンで打ったんだ。高々と打ち出されたボールはなかなか落ちてこない。一体どこまで飛んだのかと思ったら、なんとグリーン手前の花道まで運んだのだ。その距離およそ200ヤード。空いた口が塞がらない。世界トップ選手はトラブルショットも超一流だ。

 そんなニクラウスのもとにスランプに悩む選手が、わらにもすがる思いでアドバイスを求めに来たときの逸話がある。ニクラウスはその選手の髪の毛を2、3本摘み上げてスイングを促したという。頭を上下動させずに振ることで軸が固定される。スイングの基本中の基本を改めて悟らせたんだ。悩める子羊は、すぐに復調し、アドバイスされた翌週にツアー優勝をしたというのだ。さすが帝王は見る目も違う。

 米ツアー「メモリアルトーナメント」。14年大会覇者の松山英樹は、また予選落ちを喫した。松山自身も理解はしているだろうが、とにかくスイングがバラバラ過ぎる。力が入っているからダウンスイングで上体が浮き上がり、頭の位置も動いて軸がブレている。壊れたスイングを立て直すには、基本に戻るしかない。俺がコーチならニクラウスみたいに、松山の髪の毛をつかんで素振りさせるけどな…。 (構成=フリーライター・伝昌夫)

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