“球界の盟主”地上波離れ加速 巨人、DAZNと新たに5年契約 ネットへ重心 - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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“球界の盟主”地上波離れ加速 巨人、DAZNと新たに5年契約 ネットへ重心

 サッカーJリーグは25日、動画配信サービスのDAZN(ダゾーン)ととともに緊急の合同ウェブ会見。発表の主旨は2017-26年の10年間、総額約2100億円で結んでいた放送権契約を28年まで2年延長することだったが、思わぬ新事実まで発覚した。プロ野球界の盟主、巨人が昨季解禁したDAZNでの主催試合配信の1年契約を、5年契約に延長して結び直したというのだ。巨人戦は同じ読売グループの日本テレビ系列で放送され、全国にファンを増やしてきたが、いよいよ地上波から退場のときがやってきたようだ。

 緊急会見がアナウンスされたのは開始1時間前のこと。電撃的な発表ではあったが、Jリーグ・村井満チェアマンは「新型コロナウイルスで試合が中断した2月、3月ごろから議論を重ねてきた」と経緯を明かした。

 「コロナの影響は2年あれば戻せると考えた。だから2年の延長を申し出ました」

 26年までの10年間で総額約2100億円の契約を見直し、28年までの12年間で総額約2239億円で新たに契約を締結。総額は上積みされているが、1年単位では減額されているのがミソだ。

 コロナ禍によりJクラブは興行収入で大打撃を受けているが、配信予定だったスポーツイベントの相次ぐ中止でDAZNのダメージも計り知れない。「スポーツビジネスも大きな影響を受けたのは確か」とジェームズ・ラシュトンCEO。すでにNFLやNBAからは撤退を決めた。

 だが、Jリーグにとっては命綱のDAZNの撤退は死活問題。入ってくる契約金を年間20億円ほど減らしてでも、共闘しながらコロナ禍をしのごうというわけだ。

 最優先するべきは持続可能性。DAZN日本の中村俊社長は「28年以降もJリーグとはタッグを組んでいきたい」とさらなる契約延長にも言及した。その流れで「プロ野球の巨人軍とは昨年1年契約を結んだ。今年は改めて延長して5年契約を結んでいる」と爆弾発言が投下されたのだった。

 これまで巨人側からは全く発表されていなかった情報で、急きょ対応に追われた球団広報も「初めての契約のときは会見などの対応をするが、スポンサーなどと同様に延長の場合はリリースも含めて対応していない」との説明にとどまった。

 DAZNは日本におけるスポーツ配信事業の本丸として、巨人に主催試合の放映契約を2015年から打診。だが親会社・読売新聞グループ本社は、球団オーナーでもある山口寿一社長が「巨人戦は全国のテレビ放送で育てられてきた思いが強くある」と話すように、傘下の日本テレビへの配慮から首を縦に触れないのも当然ともいえた。

 それでもDAZNは、球団によっては1億円にも満たない年間契約金を破格の推定20億円以上まで上積み。さらに読売新聞オンラインにDAZN作成のスポーツ動画を提供するなど、至れり尽くせりの提携案で昨年3月についに山を動かした。

 ただ、日テレなど多方面への影響は予測しきれない部分もあり、読売側としてはあくまで様子見の1年契約でスタート。ここにきて5年契約に結び直したことは好感触を意味し、巨人戦は今後さらにネット配信へ重心を移していきそうだ。

 久々に日テレが地上波で中継した8月20日の巨人戦は、「野球脳サバイバルナイター」と題する斬新な構成。次のプレーを野球解説者らやクイズ王にまで予測させ、当否でクイズ番組のように脱落させていった。賛否両論あったが、地上波の視聴者層を冷静に分析したうえでの新機軸だろう。

 純粋に野球を楽しみたいファンはどうやって試合を見るべきか。盟主巨人は今回のDAZNとの長期契約で、その答えを示したといえる。

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