【スポーツ随想】基礎おろそか、休場力士が続出…相撲界は危機感を持て! - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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基礎おろそか、休場力士が続出…相撲界は危機感を持て!

 いやはや、ひどい場所だった。27日に終わった大相撲秋場所。白鵬、鶴竜の両横綱が初日から休場して興がそがれたうえ、休場力士が続出して何の盛り上がりもないまま終わってしまった。

 複数いる横綱が初日から休場したのは昭和58年夏場所(千代の富士、北の湖)以来、37年ぶりだった。しかし、この場所は隆の里、琴風、朝潮、若島津と力のある4大関が揃って好調で、朝潮以外は最後まで優勝争いに絡んだ。その間隙を縫って14勝1敗で関脇北天佑が初優勝と、横綱不在を補って余りある面白い場所だった。

 それにひきかえ今場所は、大関朝乃山が初日から3連敗して余計、白けてしまった。序二段から奇跡の復活をとげた東前頭筆頭の元大関照ノ富士も、11日目で3敗と優勝圏内にいながら、古傷の膝の故障で13日目から休場。十両以上の休場は13人。野球賭博関与の謹慎を含め14人が休んだ平成22年名古屋場所以来の多さになってしまった。

 通常は前後半で10番ずつ計20番の幕内取組が18番に減ったうえ、千代大龍、照ノ富士が休場した13日目などは16番しかなった。これで1マス1人、A席で平日1万2000円。そのうえ、大声も出せない、酒も飲めないでは“ぼったくり”といわれても仕方ない。

 コロナ禍で出稽古が禁止されており、部屋にほかに関取がいない朝乃山などは幕下以下の若い衆との稽古しかできない。関取が5人以上いる追手風、木瀬、九重、佐渡ケ嶽といった部屋と比べ、不公平感は否めない。

 「コロナのせいで稽古できない」との力士たちの言い訳も聞こえた。協会は秋場所後の10月5日から約2週間、1力士につき1部屋に限定した出稽古を解禁するという。

 それもいいが、国技館内の相撲教習所には2面の土俵があるのに、なぜ活用しないのかと不思議に思っていた。協会も検討中だというから是非、有効活用してほしい。ここに希望する力士を集め合同稽古にすれば、1力士1部屋などと限定する必要もなく、いろんな相手と手合わせできる。本場所同様に感染防止対策を徹底すれば、さほどのリスクはないだろう。

 体ばかり不必要に大きくなり、基本のしこやテッポウ、ぶつかり稽古がおろそかにされている。やたらにけが人が多いのもそのためで、合同稽古は実施されない巡業部の親方が責任をもって監督にあたり、基本を徹底させるいい機会でもある。

 せっかく築いた相撲人気。感染防止のため入場制限は仕方ないにせよ、土俵がこんな調子では次の国技館開催となる11月場所も客足が遠のくことは目に見えている。危機感を持たず「コロナのせい」などと力士が責任回避していたら、とんでもないことになりそうだ。 (作家・神谷光男)

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