【SPORTS BAR】メダルラッシュの背景に“イチ流”の思考 自分を追い込み、技術を高めて得た“やれる”という自信 - zakzak:夕刊フジ公式サイト

記事詳細

メダルラッシュの背景に“イチ流”の思考 自分を追い込み、技術を高めて得た“やれる”という自信

 メダルラッシュに列島が沸いている。コロナ禍で1年延長という変則日程にもかかわらず、ちゃんと結果を出しているアスリートの技術力、精神力…。まして挫折からはい上がってきた選手の輝きは感動的だった。

 競泳の個人メドレー2冠に輝いた大橋悠依(25)である。2日、記者会見し「こんなに楽しい五輪になるとは思っていなかった。自分らしさが出せた」と笑顔を見せた。幼き頃、アレルギーに悩まされた。球技も走ることも苦手な少女は「水だけは怖がらなかった」(父・忍さん)と水泳にのめり込んだが、大学進学後にケガや極度の貧血もあって2016年リオ五輪はあきらめた。「5年間、苦しいことがたくさんあったが、全てが生きたレース」と。挫折しても、自らの道を信じ、追求する姿が栄光を呼び寄せた。

 そういえば…。野球の日米通算4367安打のギネス記録を持つイチローさんが以前、あるインタビューでこう話していた記憶がある。

 「子供の頃、小さな体で野球ばかりやっていて“あいつ、プロにでも行くつもりか”って。メジャーに挑戦したときもそうだったけど、僕は人に笑われてきたことを常に達成してきているという自負はある」

 イチローさんに類いまれな身体能力があるのは間違いないが、夢に向かって自らを追い込み、技術を高めていった。そこに妥協はない。そして芽生えたのは“やれる”という自信だったという。

 「技術が進むということはいろんな失敗を繰り返していかないとできない。少しずつ前に進む。時間をかけなければ、練り上がっていかない」

 イチローさんの名言の一つである。凡人には縁遠い言葉だが、頂点を極める姿がそこに見えた。

 今大会の金メダルは2日現在、過去最高の17個…。大橋の2冠だけではない。頂点に立った他のアスリートたちにも“イチローさん流の思考”があった気がした。五輪も終盤戦、熱量いっぱいのアスリートたちに期待です。(産経新聞特別記者・清水満) 

関連ニュース

アクセスランキング

×