“新しい”高校野球が全国的に急増 14都府県で独自ルールのリーグ戦…失敗を恐れないプレー推奨 - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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“新しい”高校野球が全国的に急増 14都府県で独自ルールのリーグ戦…失敗を恐れないプレー推奨

 高校野球で独自のルールを採用したリーグ戦が、全国的に広がっている。春夏の甲子園大会など従来のトーナメント方式とは一線を画す取り組みで、参加校は昨年の3府県から今年は14都府県に急増。コーディネーターの阪長友仁氏(40)は「一発勝負が子どもたちのためになっているのか。そういう意見は結構出てきている」と分析した。

 統括するリーグの名称は「LIGA Agresiva」で、「積極性」を意味するスペイン語を盛り込んだ。各地で細かいルールは異なるが、失敗を恐れないプレーを推奨している。投手は速球主体でストライク先行の投球を心掛け、打者は低反発の金属バットや木製バットで打ち返す。スポーツマンシップを育むため、オンラインを活用した講座にも力を入れる。

 新潟県は2018年から先進的にリーグ戦に取り組んできた。今年は甲子園常連の日本文理が新たに参戦し、全9チームで争う。創成期から携わる新潟明訓の今井也敏コーチ(40)は「経験が少ない選手にはモチベーションアップにつながっている。準公式戦のような位置づけ」と表現する。

 高校野球は秋、春、夏に都道府県単位で大会が行われる。トーナメントの初戦で敗れてしまえば、1年間で3試合しか公式戦を味わえない。秋季大会後にリーグ戦を開催し、緊張感の高い実戦を積むという狙いがある。

 10月下旬、新潟明訓と日本文理が戦った。日本高野連は従来の金属バットの高い反発性能を見直そうとしているが、低反発の金属バットは想像以上に飛ばない。新潟明訓の広瀬翔大選手(2年)は「5~10メートルは違う。芯に当たらないと飛ばないので、打力向上につながる」と前向きに話した。

 打者優位の状況で投手は変化球でかわす投球を強いられる。このリーグ戦では、投手への負担が大きいスライダーやフォークボールは禁止。投打に制約を設け、真っ向勝負を促すような仕掛けをつくっている。

 昨年は新型コロナウイルスの感染拡大で、春夏の甲子園大会が中止となった。大きな目標が失われ、指導者たちも岐路に立たされた。阪長氏は「野球人口が減っている中で『甲子園という価値観だけでいいのか』と考えている先生もいる。こういう取り組みが将来のプラスになると感じてもらっている」と語る。

 広瀬選手は「トーナメントは一度負けたら終わりだが、リーグ戦は失敗しても次がある。積極的にいけたり、失敗を生かせたりする」と意図を理解する。

 既存の枠組みにとらわれず、選手が最大限に成長できる環境を模索する。新時代にふさわしい「令和の高校野球」と言えるだろう。

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