【メジャーの旅】まったく予想外の顔合わせ! 球史に残るメジャーの“最下位対決” - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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まったく予想外の顔合わせ! 球史に残るメジャーの“最下位対決”

 日本プロ野球史上初となった前年最下位チーム同士の対決。日本シリーズのオリックス対ヤクルトはシーズン最後を締めくくるにふさわしい名勝負を展開。ちょうど30年前、米国での“どんじり”対決を思い出した。

 1991年、ア・リーグはツインズが20世紀初の前年最下位から優勝。一方、ナ・リーグはブレーブスが3年連続最下位から奇跡の逆転優勝。ワールドシリーズ(WS)は史上初の前年最下位同士という、全く予想外の顔合わせとなった。

 この歴史的戦いはツ軍の本拠地メトロドームから始まった。87年以来ホーム負け知らずのツ軍は“ホーマーハンキー”による熱狂的応援を受け、英国の民謡「楽しき我が家」ならぬ、「ホームスイート“ドーム”」で幸先よく2連勝を飾った。

 ところが、南部アトランタに舞台を移すと、今度はブ軍が“トマホークチョップ”で応戦し、連夜のサヨナラ勝ちなどで3連勝。ツ軍は前身のセネタース時代を含め、敵地でのWS14連敗とワースト記録を更新。一気に王手をかけられた。

 それでも、再び本拠地に舞台を戻すと、第6戦の延長11回裏に人気者カービー・パケットが劇的サヨナラ弾。殿堂入りアナウンサー、ジャック・バックの「See you tomorrow night(また明日の夜)!」という伝説の名実況も生まれた。

 そして迎えた第7戦。ツ軍は36歳の大黒柱ジャック・モリスに対し、ブ軍は若いジョン・スモルツが先発登板。2人の息詰まる投手戦となり、9回が終わっても0対0で決着付かず。最終戦では67年ぶり3度目の延長戦に突入した。

 飽くなき勝利への執念を燃やす“優勝請負人”モリスは続投し10回完封。エースの気迫あふれる力投に味方打線もようやく奮起し、その裏無死満塁から代打ジーン・ラーキンがサヨナラヒット。ツ軍が初の前年最下位から世界一に輝いた。

 こうして、前年最下位同士の決戦は7試合中5試合が1点差、史上最多の3試合が延長戦、4試合がサヨナラ勝ち、第7戦が史上2度目の1対0…と、まさに球史に残る“シンデレラシリーズ”となった。 (大リーグ評論家・福島良一)

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