【新・悪韓論】日本は最悪の事態に備えよ 半島南部に高まる左翼政権誕生

 現状で見れば、韓国に「従北・親中・反米・反日」の左翼政権が誕生する可能性が極めて高い。米韓軍事同盟の空洞化は、日本の安全に直接かかわる。「慰安婦の像の撤去を」などとノン気に言っている暇のない危機だ。同時に韓国内で進む左翼主導の「革命政策」は“事実上の難民”を生む恐れがある。日本は「最悪の事態」を想定して、多角的な備えを固める必要がある。

 ロウソクデモを主導する「共に民主党」(以下、民主党)は、すでに政権を取ったかのような気分で、外交政策に関しては、(1)高高度防衛ミサイル防御網(THAAD)の配置を取りやめる(2)日韓慰安婦合意と日韓軍事情報包括保護協定を無効にする(3)開城工業団地を復活する-との方針を打ち出している。

 民主党を牛耳る文在寅(ムン・ジェイン)氏(盧武鉉=ノ・ムヒョン=政権の大統領府秘書室長)によれば、THAADも慰安婦合意も、開城工業団地の閉鎖も「崔順実(チェ・スンシル)被告が(作用)したこと」だ。従って無効であると、法律家出身者とは思えぬ論法を掲げている。

 「実際に政権を獲ったら、そんなことはできまい」という見方は大甘だ。

 ソウルの日本大使館にロウソクデモ隊が乱入しても、左翼政権下の警察は規制もしないような事態ぐらい想定しておくべきだ。何しろ文氏は「革命が終わるまでロウソクの灯を消すな」「エセ保守を焼き払え」とアジっているのだから。

 民主党が昨年12月19日に発表した「ロウソクのあかり革命立法」には「不正蓄財財産を国庫で還収する法案の制定」が盛られている。朴槿恵(パク・クネ)大統領と崔被告の財産が標的と説明されているが、韓国ならではの遡及立法(=法律の効力が施行前に遡って適用される法律)を想定しているようだ。

 標的が財閥そのものと総帥一族に拡大することも考えられる。野党の議員は国会で、サムスン電子の副会長に「経営権をよこせ」と“本音”をあらわにしている。

 「そんなことをしたら、韓国経済が潰れてしまうから、あり得ない」というのも大甘だ。

 おそらく、左翼政権が誕生したら、政府系の研究所や財団、あるいはNGO(非政府組織)などに潜んでいた従北派が次々と高級官僚に抜擢されるだろう。そして、省庁ごとに従北派の秘密組織ができ、まともな官僚はいびられて職を去るだろう。

 実権を握った従北派官僚にとって、韓国経済がメチャクチャになることは「統一への近道」でしかない。従北派に、自由主義社会の常識は通じない。

 だから保守派にとっては、どうにも住みづらい世の中になる。韓国の保守派ブロガーであるシンシアリー氏が早々と「日本への移住」を決めたのも、身に害が及ぶ危険性を察知したからではないのだろうか。

 もちろん、左翼政権ができると決まったわけではない。潘基文(パン・ギムン)“中道左派”政権もあり得る。しかし、あの潘氏が「いくらかマシな候補」に見えてくるとは…人材なき国の落日だ。

 ■室谷克実(むろたに・かつみ) 1949年、東京都生まれ。慶応大学法学部卒。時事通信入社、政治部記者、ソウル特派員、「時事解説」編集長、外交知識普及会常務理事などを経て、評論活動に。主な著書に「韓国人の経済学」(ダイヤモンド社)、「悪韓論」(新潮新書)、「呆韓論」(産経新聞出版)、「ディス・イズ・コリア」(同)などがある。