【不肖・宮嶋 コラコラ記】北朝鮮では飢えと寒さと独裁者の圧政に震え… 銃声も飢えもない正月がいかに幸運か分かっとるのか?

新年のカウントダウンを控え若者らでごった返す渋谷のスクランブル交差点=昨年12月31日、東京都渋谷区

 まぁ…目出たいやないか。新年一発目のワシの連載もこうやって皆様の目に触れることになったんや。1億日本人のほとんどが平和に正月を迎えることができたのである。家族でコタツを囲み、みかんでも食べながら紅白の出場歌手に突っ込みを入れ、除夜の鐘を聞きつつ初詣に出掛ける支度をしていたハズや。田舎に帰って老父母が孫にお年玉を配るさまを目を細めてながめていたサラリーマンの皆様もおったハズや。

 しかし…それがいかに恵まれ、ラッキーなことか…自覚しとる日本国民がどれほどおられたことか、はなはだ怪しいで。

 親日国家トルコのイスタンブールじゃ、外国人観光客が多く集うナイトクラブで、テロリストが銃を乱射し、多数が犠牲になり、とても正月を祝うどころやなかったのである。

 その隣国シリア、イラクじゃ、除夜の鐘ならぬ、銃声や砲声に囲まれ、年を越さざるをえんかった多くの民がおるのである。遠く離れた中東だけの話とちゃうで。日本列島のお隣の北朝鮮じゃ、お年玉どころか、餅1個も買えず、飢えと寒さと独裁者の圧政に震える何十万ものガキどもがおるのである。

 不肖・宮嶋、今年は昨年に続き若者でにぎわう渋谷で元旦を迎えた。年末、ドイツで起こったテロ事件のように、平和ボケの惰眠をむさぼるガキどもをトラックで踏みつぶすような悲劇を期待しとったわけでは断じてない。そういう悲劇が、わが国で起こらんよう警戒取材のためである。

 不肖・宮嶋だけやないで。おびただしい数の警察官、機動隊が交通、群衆整理や警備のため、寒空に立ち続けていたのである。さらにドイツのようなテロを警戒して警視庁はERT(緊急時即応部隊)という特殊部隊も人目につかんところで待機させとったぐらいである。

 ガキどもがスクランブル交差点で「あけおめ」やの「ハッピーニューイヤー」やと大はしゃぎできるのも誰かが治安や国土を守っているおかげやろ。兵役の義務もなく、そんな警察官に酔っぱらって悪態ついても逮捕もされんのやで。この70年間の平和はもはや奇跡に近い偶然が重なり合っただけのうたかたの夢に過ぎんと分かっとるのか?

 わが国の渋谷でこんなバカ騒ぎが続くのと時を同じくして南シナ海では、独裁軍事大国の中国海軍が「なんちゃって空母」も参加させ、年越しで訓練を続け、わが国への侵略のときを虎視眈々と狙っているのである。

 わが国が来年も平和な新年を迎えられる保障はどこにもない。

 ■宮嶋茂樹(みやじま・しげき) 報道カメラマン。1961年、兵庫県明石市生まれ。日本大学芸術学部卒業後、「フライデー」専属カメラマンをへて、フリーになり、数々のスクープ写真を撮影。世界の戦場でも取材を行う。