【新・悪韓論】「旧悪」朴氏追放もますます傲慢になる大統領側近 文氏が「庶民の顔」つくろうとも迫り来る「新悪」

 韓国とは「地位が上の者は絶対」という日常的統治文化によって、企業も政府も、そして一般国民の生活も動いている国だ。従って、「地位が高い者」は自然と傲慢になる。それは左翼の政治家でも同様だ。

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領はいま必死に「庶民の顔」をつくり、マスコミのご祝儀記事になっている。彼はマスコミが見ているところでは「庶民の顔」をつくり続けなくてはなるまいが、側近たちはそうではない。彼らは「しがない野党議員」の時代から、十二分に傲慢だった。「権力に近い与党議員」に変わったのだから、ますます傲慢になるのは明らかだ。

 側近の一人、林秀卿(イム・スギョン)議員は、1989年7月に平壌(ピョンヤン)で開かれた世界青年学生祭典に、ベルリン経由で参加した女性で、「統一の花」と呼ばれた。帰国後、国家保安法違反で有罪となり服役したが、やがて恩赦により釈放され、2012年4月の国会議員選挙で民主党の比例候補に立ち当選した。

 その年の6月、ソウルの飲食店で、林氏と脱北者の大学生が出くわし口論になった。口論の模様は録音されていて朝鮮日報(12年6月4日より)が記事にした。その一部を紹介しよう。

 「どこの馬の骨か分からない脱北者のガキが転がり込んできて」「この犬野郎。何も知らない脱北者のガキが大韓民国の国会議員に言い掛かりをつけるのか。大韓民国に来たなら黙って静かにしていろ」「この変節者のガキ。身の回りには、くれぐれも注意しろ」

 これが、「統一の花」の“お言葉”だ。わが心の祖国=北朝鮮を裏切った人間への敵意、そして、大韓民国の国会議員様の傲慢さがあふれ出ている“お言葉”だ。

 彼女の“素質”を評価して北朝鮮に送り出した学生運動の指導者は、その後、民主党の幹部になり、彼女を国会議員候補に推薦した。そして、文政権の成立とともに、彼は大統領府の秘書室長に就任した。任鍾皙(イム・ジョンソク)氏だ。

 やはり側近の李ヘチャン議員とは、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権で首相を務めたことがある左翼の元老だ。もともと傲慢さを絵に描いたような人物で、親中・反日主義者だ。

 その傲慢さが改めて示されたのは昨年夏だった。彼は「田舎暮らしがしたい」と思い立ち、世宗(セジョン)市郊外に家を新築した。が、住んでみると、堆肥の臭いがすごい。

 彼は世宗市長(民主党)に「何とかしろ」と電話した。市長と市の幹部が続々と現れ、近隣の農家と接触した。そこで何があったかは明らかではないが、堆肥と混ぜられていた土15トンがただちに撤去された。

 農家はその後どうするのか-など、彼の頭にはないのだろう。

 李氏は今回の大統領選挙の応援演説で「(われわれが政権を取ったら)保守派を壊滅させてやる」と叫んだ。そして、中国への大統領特使に決まった。

 大統領がいくら「庶民の顔」を見せても、その側近には林、李両氏と同質の人々がたくさんいる。彼らが旧悪(朴槿恵=パク・クネ=前大統領)を追放して「新悪」になった人々として台頭する日は、そう遠くあるまい。

 ■室谷克実(むろたに・かつみ) 1949年、東京都生まれ。慶応大学法学部卒。時事通信入社、政治部記者、ソウル特派員などを経て、評論活動に。主な著書に「呆韓論」(産経新聞出版)、「ディス・イズ・コリア」(同)などがある。