【沖縄が危ない!】憲法9条こそ沖縄を苦しめる元凶 挑発的領海侵犯繰り返す中国「慣れれば済む話」、対抗戦略ない日本

宮古海峡上空を飛行する中国空軍のH6K爆撃機(左)と戦闘機スホイ30=2016年9月(共同)

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 「今、なすべきことは改憲ではない。憲法を一つ一つ誠実に守ることである。憲法の精神を沖縄に完全適用することを強く求める」(琉球新報)

 「米軍基地をそのままにして憲法9条を改正するなどというのはとんでもない話である」(沖縄タイムス)

 憲法記念日の5月3日、沖縄の県紙2紙は社説でこのように訴え、憲法9条の堅持を要求した。

 安倍普三首相は2020年の改憲を打ち出しているが、2紙の主張は果たして妥当だろうか。尖閣諸島を抱える石垣市民である私から見ると、むしろ9条こそ、沖縄を苦しめている元凶に思えてならない。

 沖縄は現在、尖閣諸島問題と米軍基地問題に直面している。いずれも9条が大きく関わる。

 尖閣諸島周辺では、中国公船が日常的に領海侵犯を繰り返している。最近では、県民が沖縄戦犠牲者の喪に服す「慰霊の日」翌日の6月24日、石垣市の市制施行記念日である7月10日、今年の「海の日」である7月17日など、領海侵犯のタイミングも狙いすましたようで挑発的だ。

 7月13日には、沖縄本島と宮古島の間を中国軍の爆撃機6機が飛行した。中国国防省報道官が「慣れれば済む話だ」と言い放ち、県民の神経を逆なでしたのも記憶に新しい。だが日本は、中国の挑戦に対抗する効果的な戦略を繰り出せないままだ。

 中国が日本を見下すのは、日本が9条で自縄自縛に陥っている現状を見透かしているからではないか。9条が存在する限り、尖閣を含む沖縄は中国に翻弄され続ける。

 目を米軍基地問題に転じると、米兵の相次ぐ事件・事故が沖縄県民に不平等感や屈辱感を与え続けている。加害者の米兵が日米地位協定で保護され、本国に逃亡してしまう可能性など、その最たるものだ。大多数の県民は日米安保条約を支持しているが、沖縄の非武装化を叫ぶ過激な勢力が県民の反基地感情を利用し、沖縄の政治を揺るがしている。

 日本が9条を改正し「自分の国は自分で守る」体制を整備すれば、在沖米軍を整理縮小し、自衛隊に置き換える展望が開ける。

 日本最西端の与那国島では昨年3月に陸上自衛隊が配備され、過疎化に悩む島は隊員の転入で息を吹き返した。現在では隊員が島の伝統行事で一翼を担うなど、自衛隊員と島民の「共存」が進む。沖縄にとって、自衛隊が米軍とは抜本的に異なる存在であることを、与那国島が示しているのだ。

 9条の改正または廃棄こそ、尖閣問題と米軍基地問題を究極的な解決に導く。沖縄を救う道が「憲法の完全適用」などとは有り得ない話だ。

 ■仲新城誠(なかしんじょう・まこと) 1973年、沖縄県石垣市生まれ。琉球大学卒業後、99年に地方紙「八重山日報社」に入社。2010年、同社編集長に就任。同県のメディアが、イデオロギー色の強い報道を続けるなか、現場主義の中立的な取材・報道を心がけている。著書に『「軍神」を忘れた沖縄』(閣文社)、『翁長知事と沖縄メディア 「反日・親中」タッグの暴走』(産経新聞出版)、『偏向の沖縄で「第三の新聞」を発行する』(同)など。