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【断末魔の中韓経済】中国、統計数字のデタラメ 物価落ち込むはずがプラスって…もはや「笑うしかない」改ざんの実情

中国・韓国・ブラジル・ロシア・インドの経済成長率

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 筆者が中国のGDP(国内総生産)について、いまひとつ論評する気になれないのは、共産党当局から発表される数字が「嘘」であることが、あまりにも明白であるためだ。

 図は、今や懐かしのBRICs諸国(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)、および韓国の経済成長率の推移を見たものだ。中国以外の国々の経済成長率が四半期ごとに変動する様子と、あまりにも「直線的」な中国の経済成長率が確認できるだろう。

 当たり前だが、経済成長率が毎四半期、これほどまでに一定を維持するなどということは決してあり得ない。

 習近平政権発足時、中国共産党はGDPを対2010年比で20年までに倍増させるという「公約」を掲げた。10年でGDPを倍にするためには、毎年、7%の経済成長率を維持する必要がある。

 というわけで、中国の経済成長率が7%ラインを大きく外れることは絶対にない。どれほど景気が悪化し、失業者が街にあふれたとしても、中国の経済成長率は6・5%を決して切らないのである。

 さらに、中国の各地方のGDPを合計すると、中央政府公表の数値をはるかに上回ってしまうという問題もある。結局のところ、中国は党中央が鉛筆をなめなめ、「この辺でいいのでは?」と、経済成長率を「発表」しているに過ぎないのである。

 17年8月、中国はとんでもない「GDP統計の修正」を行った。遼寧省の1-6月期の名目GDPを、いきなり20%近くも引き下げたのだ。ところが、もはや「笑うしかない」わけだが、実質GDPはプラス2・1%とのことである。

 名目GDPがマイナス19・6%、実質GDPプラス2・1%ということは、物価(GDPデフレータ)が2割以上、落ち込んでいなければならない。ところが、同期の遼寧省の消費者物価や卸売物価は、普通にプラスだった。もう滅茶苦茶である。

 当然の話だが、GDP統計の水増しをしているのは、遼寧省には限らない。共産党中央規律検査委員会は、吉林省と内モンゴル自治区についても「統計ねつ造がある」と指摘している。

 ここまで統計数字がでたらめでは、政府が真っ当な経済政策を打つことはできない。中国国務院は、8月に統計法の実施条例を施行。水増しや改竄(かいざん)の厳罰処分を決めたが、中央に「提出」するGDPの数値が地方の共産党官僚の出世を左右する構造が変わらない以上、中国の統計数字は相変わらず「最悪の輸出品」であり続けるのだろう。

 ■三橋貴明(みつはし・たかあき) 1969年、熊本県生まれ。経済評論家、中小企業診断士。大学卒業後、外資系IT業界数社に勤務。現在は「経世論研究所」所長。著書に『中国不要論』(小学館新書)、『今や世界5位「移民受け入れ大国」日本の末路』(徳間書店)など多数。