敵失に自民巧み 立憲民主、逆襲の果報

当選確実となった候補者の名前に花を付ける立憲民主党の枝野幸男代表(右)と長妻昭代表代行=22日午後、東京都港区(古厩正樹撮影)

 今回の選挙戦は、民進党の分裂により「自民・公明」「希望・維新」「立憲民主・共産など」-の3極が入り乱れる展開となった。希望の失速とは対照的に、堅調だったのは自民だ。政権批判票の受け皿として存在感を示した立民も躍進。両党の本部や各選挙区の事務所は勝勢ムードに包まれた。

■自民

 「おお、早い」「よし、大丈夫だ」。東京・永田町の自民党本部に設けられた開票センター。投票が締め切られると同時に報道各社が「自民党勝利」を伝えた瞬間、会場は歓喜と安堵(あんど)の声が交錯した。

 開票センターに到着した党総裁の安倍晋三首相は自ら、候補者名の書かれたボードに当選確実を示すバラを付け始めた。瞬く間に白のボードが赤色で埋まっていったが、報道各社のインタビューでは「皆さんの能力を発揮できる社会、安心できる日本を作っていく」と控えめな“勝利宣言”となった。

 党関係者は「大勝は野党の“敵失”に助けられた面もある。笑顔を見せることで『慢心』と受け取られないよう注意を払ったのだろう」と話した。

 ■公明

 東京都新宿区の公明党本部では23日未明、山口那津男代表が「与党で過半数となり政権選択で信任を得た」とする一方、完勝を期した選挙区を取りこぼすなどしたことから、「難しい戦いだった」と硬い表情で語った。

 山口氏は各社の取材に「野党が分裂し立憲民主に勢いが出た」と分析。東京都議会で自民とたもとを分かちながら国政は連立を堅持する現状を「東京五輪・パラリンピックを成功させる責任がある。小池(百合子)都知事と議会を協力させ政府とも協力する。姿勢は一貫している」とした。小池氏は都政に専念すべきかとの問いに「それが都民の期待」と強調。改憲勢力との指摘には「改憲を否定していないが各党の見解はばらばら。国民の理解を得るためにも国会議論が重要」とした。

■立憲民主

 希望の小池百合子代表のリベラル派「排除」発言を受けた民進分裂で、公示日の1週間前に結党しながら、安倍政権批判やリベラル系の受け皿として躍進した立民。東京都港区のホテルに設けた開票センターでは、野党第一党をうかがう情勢が伝えられると、党スタッフの控室から「うぉー」という大きな歓声と拍手が上がった。

 枝野幸男代表は「今までの永田町の内側を向いて、上からやっていた政治を変え、国民に寄り添った政治を進めていく」と決意を示した。希望の議席を上回る様相にも、終始厳しい表情を崩さず、「これで終わりではなく、ここからがスタート」と強調した。

 福山哲郎幹事長は「日を追うごとに国民の皆さんの共鳴を得て力強い選挙戦を展開できた」と満足そうに話した。