【新・悪韓論】仁川空港vsロッテ免税店賃貸料紛争で見えた韓国人の“約束守れぬ”国民性 状況変われば契約も反故

仁川国際空港のターミナル

 韓国という国家、韓国人という国民に「約束、契約は守らなくてはならない」とする意識があるのか、どうか。韓国人の「約束」「契約」に対する意識がどんなものかを明らかにする事態がいま進んでいる。仁川(インチョン)国際空港とロッテ百貨店の間の免税店賃貸料をめぐる争いだ。

 米軍の最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の韓国配備に対する中国の報復により、韓国に降り立つ中国人観光客は激減した。仁川空港の免税店は、中国人の爆買いで成り立っていたのに、これでは赤字が増すばかりだから、賃貸料を安くしてくれ-というのが、ロッテの言い分だ。

 賃貸料は「売上高に対する一定比率」で算定される。しかし、それとは別に「最低支払額」が定められている。「売上高に対する一定比率」で算定した賃貸料が「最低保証額」に達しない場合は「最低保証額」を支払うという意味だ。

 2015年9月から20年8月までの賃貸契約期間中に支払う最低保証額は4兆1000億ウォン(約4120億円)。初年度は少なく、最終年度は1兆ウォン(約1000億円)という傾斜構造になっている。

 売り場面積は8849平方メートル。賃貸料が高いか安いかはさておく。最大のポイントは、どの事業者に売り場を貸すか、競争入札をした際に、ロッテ側が自ら提示した条件であることだ。

 入札は「免税店は金の卵を産むガチョウ」と思われていた時期だった。ロッテは5年間に4兆1000億ウォンの賃貸料を払ってももうかると判断して、その支払い条件を提示したのだ。

 しかし、中国人客が激減して「金の卵を産むガチョウ」ではなくなった。だから値引きしろ、値引きしないなら退去すると言っているのだ。

 契約の5年間を待たずに退去するなら別途の違約金-という話が、いままでのところ全く出てこないところが面白いといえば面白い。

 金大中(キム・デジュン)元大統領との懇談を思い出した。その席で、私は「あなたは先日、政界から引退すると記者会見までして述べたではないか」とただした。すると、金氏はあっけらかんとして「あの時とは、与件(周囲の状況といった意味)が変わりましたから」と答えたのだった。

 周囲の状況が変わったなら、約束も契約も変えられるという根底発想が、左翼の政治家にも財閥にも共通している。きっと、韓国という国家、韓国人という国民に共通する発想なのだろう。

 慰安婦問題に関する政府間の「不可逆的な合意」も、彼らからすれば「あの時とは、政権という大きな与件が変わりましたから」で、既に“破棄の条件”は十分に整っているのだ。

 約束や契約を守る心がない国民に未来はないことを、日本政府は痛く教示してやる必要がある。

 ■室谷克実(むろたに・かつみ) 1949年、東京都生まれ。慶応大学法学部卒。時事通信入社、政治部記者、ソウル特派員、「時事解説」編集長、外交知識普及会常務理事などを経て、評論活動に。主な著書に「韓国人の経済学」(ダイヤモンド社)、「悪韓論」(新潮新書)、「呆韓論」(産経新聞出版)、「ディス・イズ・コリア」(同)などがある。