韓国、「慰安婦の日」可決 訪韓中の公明・山口代表は批判せず「国内問題だ」

7月、ソウルの日本大使館前に置かれた少女像(左)の横で開かれた従軍慰安婦問題に関する抗議集会(共同)

 韓国国会は24日の本会議で、毎年8月14日を、元慰安婦をたたえる法定記念日とする「日帝下の日本軍慰安婦被害者生活安全支援と記念事業などに関する法改正案」を賛成多数(賛成205、反対0、棄権8)で可決した。

 改正法により、韓国では来年から8月14日が「日本軍慰安婦被害者をたたえる日」と規定された記念日となる。同法には、慰安婦問題を国内外に伝え、記憶するための行事を行うことが盛り込まれ、記念日の趣旨に沿った行事や広報を行う努力が国や自治体に義務づけられている。

 また、慰安婦関連の政策を進める際には、元慰安婦からの意見聴取や政策内容の国民への積極的な公開なども義務づけられる。

 さらに、改正法には、慰安婦追悼施設の設置事業などの支援や、元慰安婦が死亡した際、遺族に葬儀費を支給することも盛り込まれた。

 日韓両政府は2015年12月に慰安婦問題を「最終的かつ不可逆的に解決すること」で合意している。韓国側で一方的に、慰安婦の記念日が法律で定められたことで、日韓関係に影響が及ぶのは必至だ。

 8月14日は、1991年に元慰安婦の女性(故人)が初めて公に名乗り出て証言した日に当たる。元慰安婦の支援団体「韓国挺身(ていしん)隊問題対策協議会(挺対協)」などは独自に、8月14日を「世界慰安婦の日」に定め、集会を開き日本政府に公式謝罪を求めている。(ソウル 名村隆寛)

 ■「国内問題の一環の立法措置だ」

 訪韓中の公明党の山口那津男代表は24日、韓国国会が毎年8月14日を元慰安婦をたたえる記念日にする関連法改正案を可決したことに関し「韓国の国内問題の一環の立法措置だ」と述べ、慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」を盛り込んだ日韓合意への影響はないとの認識を示した。ソウル市内で同行記者団に語った。

 山口氏は、訪韓中に丁世均国会議長ら複数の議会関係者と会談したことに触れ「どなたからも、対外的な関係で(記念日と慰安婦問題を絡めて)主張する発言はなかった」と強調した。「日韓合意の前に『合意を結ぶからには履行し、やり抜く強い決意が重要だ』と強く訴えてきた。それが韓国側にも伝わっていると信じたい」とも指摘した。

 一方、憲法改正をめぐっては、改憲の是非を問う国民投票は国政選挙との同時実施は望ましくないとの認識を示した。「同じ機会に実施すると政権選択と混同され、妥当な判断になりにくくなるというのが国民投票法を制定した当時の大多数の判断だ」と指摘した。

 山口氏は24日、丁氏や韓国の与党「共に民主党」の文喜相議員、韓日議員連盟の姜昌一会長らと相次いで会談し、北朝鮮問題などについて意見交換した。(ソウル 松本学)

 ■菅氏「強い違和感」

 菅義偉官房長官は24日の記者会見で、韓国国会が毎年8月14日を元慰安婦をたたえる記念日にする関連法改正案を可決したことに対し「極めて強い違和感を覚える」と述べた。「未来志向の関係を発展させようと努力している中、水を差すことになりかねない」とし政府として韓国側に抗議したことを明らかにした。