【慰安婦問題いまだ終わらず】「慰安婦性奴隷」登録阻止へ激闘! ユネスコ、第2R突入でこれからが勝負

パリのユネスコ本部。日本と日本人の名誉を守る戦いは続いている(ロイター)

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 中国が、国連教育科学文化機関(ユネスコ)「世界の記憶(記憶遺産)」に申請した「南京大虐殺」が登録され「日本軍慰安婦」が見送りとなったのは2年前だ。当時、ユネスコは「慰安婦」を次期(2016-17年)に再度申請するよう助言した。

 このままでは彼らの主張する「慰安婦性奴隷」が登録されてしまうだろう。何としても阻止したい。私はユネスコ関係資料を丹念に調べた。ある1文が目に飛び込んだ。

 「1カ国は申請2件まで。2カ国以上で共同申請する場合は制限なし」

 その瞬間、「この方法で私たちも申請して同じ土俵に上がろう」と決心した。あちらは国がかり、こちらは資金も後ろ盾も何もない。でも、やるしかない。

 16年、われわれ日米4市民団体は「慰安婦と日本軍の規律に関する文書」を共同申請した。慰安婦を「日本軍の公娼制度に従事した女性」と定義し、決して性奴隷ではなかったことを証明する公的文書を申請した。

 中国側は、韓国、日本など8カ国・地域の市民団体で「慰安婦の声」を共同申請した。「慰安婦は日本軍の性奴隷」と定義し、「ホロコーストやカンボジアの大虐殺に匹敵する戦争悲劇」と記した。彼らはユネスコ関係者を招いて国際会議も開いた。

 劣勢のわれわれに助っ人が現れた。カナダ・イスラエル友好協会だ。

 協会はユネスコに意見書を出し、「ユネスコは反イスラエルと反日に政治利用されている。悲劇を誇張するためにホロコーストを使ってはいけない。ユネスコは設立当初の理念に戻るべきだ」と主張した。

 中韓日などの申請は、元慰安婦の描いた絵なども含めて2744点もあった。その中に米国立公文書館が保存する戦時中の文書が含まれていることが分かった。われわれが申請した文書とほぼ同じものと思われる。慰安婦の定義がまったく違うのに、同じ文書を申請しているのはおかしなことだ。

 そこで、私たちはユネスコに申請者間で協議を持つことを提案した。日本の学者100人もユネスコに関係者に対話の機会を提供するよう求める声明を出してくれた。だが、ユネスコからは何の反応もなかった。

 ユネスコは10月末、両申請の登録判断を見送り、申請者間の対話を促すと発表をした。これまで「慰安婦性奴隷」の一方的な主張側にあった国際機関が、私たちの主張の存在を認めたのは非常に画期的なことだ。

 誰もが、われわれの負けを予想した第1ラウンドは引き分けとなり、思いがけない第2ラウンドの「対話」が用意された。これからどうなるか分からない。しかし、われわれは精いっぱい努力する。読者の方々には、ぜひ応援いただきたい。

 慰安婦問題いまだ終わらず。ユネスコを舞台にこれからが勝負だ。=おわり

 ■山本優美子(やまもと・ゆみこ) 「なでしこアクション」代表。上智大卒。保守系活動にボランティアで関わるうちに慰安婦問題は女性が取り組むべきと考え、2011年に「正しい歴史を次世代に繋ぐネットワーク~なでしこアクション」を立ち上げ、代表となる。海外の邦人女性とも連携し、対外発信、国連対策にも取り組む。著書に『女性が守る日本の誇り-「慰安婦問題」の真実を訴えるなでしこ活動録』(青林堂)、共著に『国連が世界に広めた「慰安婦=性奴隷」の嘘-ジュネーブ国連派遣団報告』(自由社)など。