犯罪心理学専門家も驚愕の手口 白石容疑者は10億人に1人の闇「類似ケースはゼロ」

白石容疑者が異様な犯行を重ねていた座間市のアパート

 神奈川県座間市のアパートで9人の切断遺体が見つかった事件で、最後の被害者とされる東京都八王子市の女性(23)への殺人容疑で再逮捕された白石隆浩容疑者(27)。その異様な手口に、犯罪心理学の専門家は「罪を犯した1万人以上の人を見てきたが、同じような例はなかった」と驚きを隠さない。

 白石容疑者はSNSのやりとりで「死にたい」などと書き込んだ人を誘い出し、箱に座らせて、首をつるすなどして相次いで殺害。捜査関係者によると、被害者を連れてくるたびに部屋を片付け、芳香剤などでにおいを消していたという。

 犯罪心理学が専門の出口保行・東京未来大教授は白石容疑者について「1億人、いや10億人に1人いるかいないかの人間だろう」と語る。国家公務員の「心理職」として全国の刑務所・少年鑑別所で多くの犯罪者を鑑定した経験をもってしても、その行動は説明がつかないというのだ。

 「殺人を犯すには、捕まるリスクと、それまで培ってきた社会的信頼を失うコストを考えるものだが、白石容疑者ははじめからこの2つを度外視している。殺すことそのものに強い興奮を感じ、『捕まってもいい。それまでになるべく多くの人を殺害しよう』と考えたのだろう」と出口氏は分析する。

 白石容疑者はツイッターなどSNSを介して被害者と知り合っていた。出口氏は「女性とのやりとりを見るとコミュニケーション能力が抜群に優れていることが分かる。相手に合わせて、自分にも自殺願望があると装ったり、自殺したいぐらいのつらさを感じている人には『首吊り士』というアカウントでその方法を示してみせたり、非常に計画的だ」と指摘する。

 白石容疑者は逮捕当初、被害者を襲った理由について「金銭目的だった」などと供述していた。「何かを得る『手段』として殺人を犯したと言えば、(捜査当局の)納得を得られやすいので、『逮捕されたときはこう話そう』と、あらかじめ決めていたのだろう」と出口氏はみる。

 殺害そのものが「目的」であるケースを考えると「大きく分けて、殺人に至るまでのプロセスを楽しむ『快楽殺人』と、自分の支配欲を満たすための殺人の2通りがある」と出口氏。白石容疑者はそのどちらにも当てはまらないという。

 「相手を呼び出すゲーム性を楽しんでいたとみられる点は前者に近いが、それを続けたいなら遺体は発見されない場所に捨てるはずだ。手元に置いていたのは、現時点では1人1人を殺害したときの興奮をフィードバックしていたとしか考えられない。計画性はあるが、後に捕まることに対するリスクやコストを度外視しており、過去に見てきたなかで類似のケースはまったくのゼロだ。考えられない」

 モンスターの闇は明らかになるのか。