韓国伝統「犬肉食用文化」、平昌五輪成否の波乱要因に? 米議会、アジアに犬肉販売禁止呼びかけ採択で内憂外患

韓国の犬鍋、補身湯(ポシンタン)を食べさせる料理店。2002年にはソウル市内に多く見られた

 韓国伝統の「犬肉食用文化」。国際的な論争を巻き起こしており、2016年7月には美人のイタリア元観光長官が犬食を中断しなければ平昌五輪をボイコットすべきと主張した。30年前の1988年ソウル五輪では欧米諸国へのイメージダウンを避けるため、ソウル市内にある犬肉レストランが閉鎖されたという。ペット人口が1000万人に達する今の韓国では若者の「犬食」離れが指摘され、世論が賛否で激しく対立していると報じられる。米議会下院外交委員会はアジア諸国に犬肉の売買をやめるよう求めた決議案を採択しており、五輪を控え、韓国に食文化への圧力がかけられた格好だ。

 韓国では動物性タンパク質が貴重だった昔、病み上がりなどによく犬肉を食べさせたという。米CBSは1300年代初めから食べていたと解説した。犬の肉を使用したスープ、補身湯(ポシンタン)を夏場の強壮料理として食べられるという。朝鮮日報は年間78万~100万匹の犬が食用として流通していると報じる。

 ところが、最近は家族の一員としてペットを飼う人口が韓国でも1000万人に達し、愛玩犬のためのホテルやグッズなどを含む市場規模は15年で1兆8000億ウォン(約1800億円)に及び、20年には5兆ウォン(約5000億円)台に成長すると見込まれている。

 韓国の世論調査会社によると、15年の1年間に犬肉を食べた男性の比率は50~60代が半数を占める。韓国のアジア経済新聞によると、05年に520カ所以上あったソウル市内の犬肉専門レストランは、14年には329カ所に減少した。犬肉農場のオーナーは「今では(肉の)選択肢があり、若者はわざわざ犬肉を食べようとはしないし、ペットとして飼う家庭が増えた」と同紙に話している。このため「死に行くビジネス」と評する海外メディアもあるほどだ。

 中央日報は今年9月、動物保護団体がソウル市内で食用禁止法づくりを促進する市民集会を開き、平昌五輪開催を控え補身湯が残っている限り「国際的な恥さらしだ」とし、「動物愛護はあり得ない」と訴えたと報じた。

 衛生面でも流通している犬肉は問題があるという。朝鮮日報によると、各市民団体は犬肉が抗生物質まみれと主張している。大学の研究所に依頼した調査結果では93件のサンプルのうち45.2%に基準を上回る抗生物質成分が検出されたという。劣悪な飼育環境などのため病気に対する抵抗力が落ち、抗生物質が乱用されていると推測されている。

 ソウル五輪時には海外の動物保護団体が犬の食用を禁止しなければ五輪をボイコットして韓国製品の不買運動を展開すると韓国政府に食用禁止措置を求めた経緯がある。

 米議会下院外交委員会は11月15日、中国、韓国、タイなどアジア諸国に犬や猫の肉の売買をやめるよう呼びかける決議案を採択したと報じられた。韓国内の五輪ムードが盛り上がらない中、犬食問題も五輪成功のカギを握る波乱要因となりそうだ。韓国にとってまさに内憂外患だ。