【小池百合子 強く、そしてしなやかに】豊洲を新たな中核市場に 産地や消費者など様々なニーズに対応できる機能を

来年10月11日の開場が決まった豊洲市場=江東区

 築地市場(中央区)から豊洲市場(江東区)への移転は20日、来年10月11日に決定した。これまで東京都と幾度となく調整を続け、開場日決定へ結びつけていただいた市場業界団体をはじめとする関係者の方々に改めて感謝を申し上げたい。

 昨年夏の都知事選で、私は「市場移転はいったん立ち止まる」と訴えて戦った。就任後、同年11月に予定されていた豊洲移転の延期を表明した。安心・安全のために設けられていた地下水モニタリング調査が完了していない段階で、舛添要一都政時代にオープン日が決まっていたが、世界中の人々が日本を代表する「新たな台所」を歓迎するには、さらなる確認・検証が必要と判断したためだ。

 その結果、さまざまな問題が発覚した。盛り土と示された場所に「地下空間」があり、都庁の縦割り行政によって情報が共有化されなかった背景が明らかになった。地下水モニタリング調査では、それまで出ることのなかった環境基準の79倍のベンゼンなどの有害物質が検出された。新市場の使い勝手など設計上の問題も指摘された。

 もともと東京ガスの工場跡地で土壌汚染の懸念があった場所だ。もし、見切り発車で予定通り移転していたらどうだったか。開業後にさまざまな問題が発覚し、営業途中で何らかの追加対策を講じなければならなかったとすれば、それこそ大きな不安や混乱を生んでいたのではないか。

 問題点として浮かびあがった都庁の縦割り組織を改めるため、幹部が情報を共有する「都庁マネジメント本部」を設置した。月に数回、局の垣根を越える都政の喫緊の課題を議論する場である。また、市場に関しても局横断で話し合う場を設け、市場を介さない直取引が増える中で、いかに持続可能な市場にするかという点にも目を向けた議論がなされた。

 年内に開業日が決まり、いよいよ今後は引っ越し準備や店舗の整備など移転に関する具体的な動きが加速する。移転完了後の築地は、2020年東京五輪・パラリンピックの輸送拠点とし、輸送ルートの環状2号線を通す作業を進める。

 豊洲市場は、品質・衛生管理の強化、効率的な物流の実現といった産地や顧客、消費者のさまざまなニーズに対応できる機能を備えた市場として育てていくつもりだ。また、地域にとっても誇れる施設となるよう、さまざまな魅力を生かしながら活気やにぎわいを産み出したい。

 物流が激変するなかでも、豊洲市場が日本の新たな中核市場として成長するために、今後も市場業界団体や地元の江東区などをはじめとする関係者の方々と意見交換を重ねながら、万全の体制で開場を迎えたい。(小池百合子・東京都知事)