韓国通信大手お粗末、キム・ヨナさん出演の平昌五輪応援CMが規定違反 「こんなことでどうする」批判も

 韓国で絶大な人気を誇る元フィギュアスケートの金メダリスト、キム・ヨナさん(27)が、広報大使を務める平昌五輪をめぐって騒動に巻き込まれた。韓国通信大手・SKテレコムの平昌五輪応援広告CMにキム・ヨナさんが出演したが、これがアンブッシュマーケティングに該当するとして大会組織委員会の逆鱗に触れ、制作放映したテレビ局に対し放映中止と再発防止の公文書が突きつけられる事態となった。

 大辞林によると、アンブッシュマーケティングとは、五輪やワールドカップ(W杯)などのイベントで、公式スポンサー契約を結んでいないにも関わらず、無断でロゴなどを使用したり、会場内や周辺で便乗して宣伝活動を行ったりすることだという。通信分野の公式スポンサーは韓国最大手の通信事業会社、KTだ。2002年日韓W杯の公式スポンサーも務めた。五輪ではスポンサーを1業種1社に限定しており、公式スポンサーでないSKテレコムが五輪などで便乗した宣伝活動を行えば、アンブッシュマーケティングと指摘される公算は大きい。

 ちなみに、アンブッシュマーケティングは国際オリンピック委員会(IOC)が1984年のロサンゼルス五輪でオフィシャルスポンサー制度を導入したことによって始まったという。

 中央日報などによると、今回、キム・ヨナさんが巻き込まれた件は、五輪種目のバイアスロンとスノーボードを自ら楽しむ内容のものだが、そこに登場する(絵文字などの)ピクトグラムが平昌五輪で使用されるものと酷似。さらに映像の最後に映し出される英語の「平昌で会いましょう」のメッセージとともにSKテレコムの商号と商品キャンペーンのキャッチコピーが登場することが問題視されたという。

 SKテレコムは、五輪の雰囲気を盛り上げるために放送局が企画したキャンペーンに参加しただけで「特に問題はないと思った」などと釈明。だが、組織委員会はピクトグラムを巧妙に変形させるなどして著作権法に違反しており、「明白にスポンサーの広告権利を侵害している」と主張した。応援CMを制作して放映したSBS、KBSの放送局に対し、放映中止と再発防止を要請する公文書を送付としたという。

 今回の件でSKテレコムに対する評判は芳しくなく、韓国を代表する企業が「こんなことでどうする」などと批判の声が上がっているという。

 来年2月に開催される平昌五輪をめぐっては、チケット販売が11月末にやっと50%を超えたばかり。韓国の世論調査機関が12月8日に公表した平昌五輪に関する調査結果によると、五輪開催地の江原道以外の地域に住む韓国国民で五輪観戦のため開催地を訪問する意向があると答えた割合は32%だったのに対し、行かないは67%に及んだ。高い建設費用や「韓流スター祭り」と酷評された開会式など失敗大会といわれる2014年仁川アジア大会でさえ訪問の意向は44%あったという。

 この世論調査機関は、江原道が国内で有数の酷寒地域で、交通や宿泊などで仁川などより負担が大きくなることが結果に投影されていると分析している。

 逆風ばかりが目立つ平昌五輪で、五輪関連商品のモデルとなって相乗効果をもたらそうと試み、11月の国連総会での「五輪停戦決議案」採択の際、演壇で支持を訴えるなどして尽力したキム・ヨナさんの活動に水を差すような出来事に、韓国のネットユーザーは「ヨナを巻き込むのはやめて」などと書き込んだ。

 緊迫化する朝鮮半島情勢も手伝って開催成功に「赤信号」が灯ろうというときにお粗末としか言いようがない。