立民のあざとい皮算用 民進離党者取り込みで「政党交付金」積み増し…離党組は「年明け効果」期待か

立憲民主党への入党届を出す蓮舫氏(左)

 枝野幸男代表率いる立憲民主党が一気に膨張している。民進党離党組などの入党が相次ぎ、衆参合計で野党第1党に躍り出たのだ。立憲民主党は所属議員の増加で、来年の「政党交付金」を積み増しできる。離党組としても、年の瀬のドサクサに紛れて駆け込むことで、メディアなどの「裏切り者」という批判をかわし、新年に有権者の意識がリセットされる「年明け効果」を期待している可能性もありそうだ。

 「立憲民主党側から、入党の誘いは連日のようにかかってくる。当然、政党交付金が念頭にあるだろう」

 民進党のある参院議員はこう語った。

 12月に入って、民進党などから立憲民主党に入党する動きが加速している。

 立憲民主党は28日、「二重国籍」問題を引きずる蓮舫・元民進党代表の入党を承認。蓮舫氏が加わり、同党の所属議員は、衆参で計61人(赤松広隆衆院副議長を除く)となった。

 同党の福山哲郎幹事長は26日、ダブル不倫疑惑の山尾志桜里衆院議員と、蓮舫氏から入党届の提出を受け、「歓迎したい」と述べた。同党としては、年内に所属議員が増えれば、それだけ党の財布が潤う事情がある。

 2018年の政党交付金は、1月1日時点の所属議員数のほか、17年衆院選や13、15両年の参院選の得票数に基づき、算定される。立憲民主党は過去2回の参院選を戦っておらず、議員数が「生命線」なのだ。17年衆院選後の各政党の勢力を踏まえ、議員1人あたり約2400万円に相当するとの分析もある。

 民進党の離党者に参院議員が目立つのは、19年に参院選が控えていることも一因となっている。

 政治評論家の伊藤達美氏は「17年衆院選の余勢を駆って、党勢を拡大したい立憲民主党と、民進党の低迷に危機感を強める離党者の思惑が一致した」と指摘し、続けた。

 「立憲民主党ブームにあやかって入党したなら、動機は不純だ。以前の参院選で旧民主党や民進党に投票した有権者にとっては、『話が違う』となるだろう。離党組には、十分な説明が求められる。立憲民主党も、衆院選で筋を通す姿勢が好感されたのであって、政策が評価されて躍進したとは言いがたい。追い風が次期参院選まで続くかどうか分からない」

 加えて、「年末恒例」ともいえる野党議員のドタバタ劇には、政党交付金や選挙だけが理由ではない思惑も感じられる。

 伊藤氏は「年末は週刊誌が休みモードに入り、新聞社も『御用納め』を機に態勢が手薄になる。この時期に雪崩を打って新党に駆け込めば、執拗(しつよう)な追及を避けられる。一方で『新年を迎えれば、国民の批判も立ち消えになるだろう』とのいやらしさがうかがえる」と解説する。

 「有権者不在」の離合集散ではないのか。