【スクープ最前線】米国、北支援再開表明の韓国は「敵対国家」 韓国メディア「文政権は『歴史の罪人』に」

北朝鮮にすり寄る文大統領にトランプ米大統領(写真)は怒り心頭のようだ(AP)

 米国の、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権に対する怒りが沸騰しつつある。文政権が、北朝鮮の「核・ミサイル開発」という世界の危機に目をつむり、平昌(ピョンチャン)冬季五輪での「南北連携」に傾斜しているからだ。カナダで16日に開かれた北朝鮮問題の外相会合でも、韓国の康京和(カン・ギョンファ)外相が北朝鮮への人道支援再開に意欲を示し、日米英の外相が「時期尚早」と猛反対した。米政権内では「韓国=敵性国家」との見方が広がり、韓国国内でも批判が高まっている。「従北・反日・反米」で聞く耳を持たない文大統領と、日本国内で暗躍する「親韓派」のうごめきとは。ジャーナリストの加賀孝英氏が最新情報に迫る。

 「文政権は平昌五輪を返上し、『平壌(ピョンヤン)五輪』を宣言した」「期間限定の平和もつかの間、北朝鮮が核兵器を完成させ、核やミサイルで韓国や全世界に対する挑発と脅迫を本格化させるなら、文政権は『歴史の罪人』になる」

 韓国の保守系最大野党「自由韓国党」のスポークスマンは20日、国際オリンピック委員会(IOC)が、文政権のゴリ押しで、北朝鮮の五輪参加を正式決定したことを受け、こう激しく非難した。

 まったく、その通りだ。文氏の一連の言動は「北朝鮮に魂を売り渡した」としか思えない。あきれてモノがいえない。

 17日の南北次官級会談では、以下の4点が、韓国の国民や五輪選手への事前説明もないまま、一方的に合意された。


 (1)アイスホッケー女子の合同チーム結成。
 (2)開会式で(韓国の国旗ではなく)韓半島旗を掲げて合同入場行進。
 (3)北朝鮮東部、馬息嶺(マシクリョン)スキー場での南北選手の合同練習。
 (4)五輪前夜祭を、北朝鮮南東部、金剛山(クムガンサン)地域で共催。

 馬息嶺スキー場は、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の肝いりで建設され、金剛山は正恩氏が「国際観光地帯」としてPRしている場所である。

 正恩氏のための合同訓練、前夜祭ではないか。

 加えて、北朝鮮から140人の「三池淵(サムジヨン)管弦楽団」が派遣され、五輪会場や韓国各地で演奏する。同楽団は「三池淵楽団」と「牡丹峰(モランボン)楽団」との選抜チームとみられるが、牡丹峰楽団の代表曲は「寝ても覚めても元帥様を思う」など、正恩体制を褒めたたえ、宣伝するものばかりだ。

 韓国政界関係者が怒りに震えて、こういう。

 「北朝鮮は五輪開幕前日(2月8日)、朝鮮人民軍の正規軍創設70年を祝う軍事パレードを大々的に行おうとしている。北朝鮮は軍事パレードと金剛山での五輪前夜祭をパックにして、世界に『核強国』をアピールするつもりだ。文氏はそれに加担している。さらに開幕式で掲げるのは、太極旗(テグッキ=韓国の国旗)ではなく半島旗になる。正恩氏に五輪を乗っ取られた形だ。国民からは『どこの国の五輪なのか!』と、怒りの声が吹き出している」

 韓国軍関係者は「軍部からも『文氏の暴走をこれ以上許したら、韓国は大変なことになる』『同盟国・米国・国際社会から見捨てられる』という声が出ている」という。

 言っておくが、米国の怒りはそれ以上だ。

 米議会共和党の重鎮、リンゼ・グラム上院議員は17日、米シンクタンクの座談会で次のように文政権を激しく批判した。

 「韓国は、米国が北朝鮮の核兵器開発抑止に努力しているなか、ドナルド・トランプ大統領の足を引っ張っている」「トランプ政権の努力を妨害している」「そもそも、核兵器で他国を威嚇する国は五輪に参加すべきではない」

 さらに、驚愕情報がある。以下、複数の米情報当局関係者から得た情報だ。

 「文政権は水面下で、『北朝鮮への制裁を緩和できないか』『五輪後に延期した米韓合同軍事演習を中止できないか』と、米国に泣きついている。米国は断固拒否だ。無視している。トランプ政権は『文政権は嘘ばかり。機密情報は北朝鮮にすぐ漏れる』『事実上の敵性国家だ』と判断している。五輪後、トランプ氏は貿易赤字問題で文氏を徹底的にたたくつもりだ」

 「文氏は、北朝鮮に『核・ミサイル開発の完全放棄』を決然と求めず、正恩氏のご機嫌とりに終始している。米軍幹部らは『文政権は、韓国だけは攻撃しないでくれと正恩氏に懇願している』と分析している。言葉をかえれば『文政権は、韓国以外の国、日本と米国だけ攻撃してくれと懇願している』ということだ。文政権=裏切り者とみるしかない」

 ジェームズ・マティス米国防長官は15日、カナダ・バンクーバーで開かれた北朝鮮問題に関する20カ国外相会合に先立つ夕食会で、「米国には(北朝鮮攻撃の)戦争計画がある。準備はできている」と、きっぱりといい、正恩氏と文氏にクギをさした。米国は本気だ。再度「Xデー」の検討に入っている。

 そんななか、永田町を中心に「安倍晋三首相は、平昌五輪開幕式に行くべきだ」という声が、突然吹き出した。

 ふざけるな、だ。米国や中国、ロシア、フランスなどの首脳は参加しないではないか。文政権を信用しておらず、「平昌五輪=危険だ」と認識しているからだ。どういう背景・忖度(そんたく)で、安倍首相に参加を強要するのか。「平昌五輪」はもはや、北朝鮮の「核戦力」をアピールする政治ショーに変貌しつつある。

 安倍首相、参加すべきではない。

 ■加賀孝英(かが・こうえい) ジャーナリスト。1957年生まれ。週刊文春、新潮社を経て独立。95年、第1回編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム大賞受賞。週刊誌、月刊誌を舞台に幅広く活躍し、数々のスクープで知られている。