韓国恫喝する正恩氏の狙い 平昌五輪の南北合同行事の中止を通告、専門家「“従北”ブレないように揺さぶり」

正恩氏の写真を燃やす韓国の南北融和反対派(AP)

 金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長率いる北朝鮮が、また韓国を恫喝(どうかつ)してきた。平昌(ピョンチャン)冬季五輪に合わせて、北朝鮮南東部、金剛(クムガン)山で開催予定だった南北合同文化行事の中止を29日夜、一方的に通告してきたのだ。専門家は、国際社会の経済制裁を突破するため、五輪を「人質」にして揺さぶりをかけてきたと分析している。

 韓国統一省によると、北朝鮮側は行事中止の通知文で、韓国メディアが「五輪に関して北朝鮮が心を込めて行っている措置を冒涜(ぼうとく)する世論を拡散している」と主張した。

 さらに、「内部の慶祝行事の是非まで問題にしており、中止せざるを得ない」と批判した。慶祝行事とは、北朝鮮が五輪開幕前日の2月8日に実施予定という軍事パレードを指すとみられる。

 韓国メディアでは、軍事パレードへの批判に加え、金剛山での南北合同行事のために韓国側が発電用軽油約1万リットルを提供することが、国連制裁や米国の独自制裁に違反する可能性が報じられている。

 北朝鮮の狙いは何か。

 朝鮮近現代史研究所所長の松木國俊氏は「文在寅(ムン・ジェイン)大統領が五輪にのめり込みすぎていることに、韓国内で批判・反発が高まっている。そこで、まず文氏が『従北』でブレないよう、揺さぶりをかけたのだろう。北朝鮮は現在、国際社会の経済制裁がかなり効いて、追い詰められている。何としても、ドル箱である金剛山の観光事業と、開城(ケソン)工業団地を再開したい。『五輪成功』だけが頭の中にある文政権はいくらでも譲歩してくるとみて、国際社会の包囲網で一番弱い韓国を狙ったのではないか」と語っている。