正恩氏が『従北』文政権に揺さぶり「美女亡命者返せ」 平昌五輪を事実上の“人質”に

文大統領を揺さぶり続ける金正恩氏(写真)(ロイター)

 金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長率いる北朝鮮が、韓国に新たな要求を突き付けてきた。韓国に集団亡命した美女軍団ら13人の送還を求めたのだ。韓国・文在寅(ムン・ジェイン)政権が「南北関係改善」を掲げる平昌(ピョンチャン)冬季五輪を、事実上の「人質」に取ったともいえる。「従北」の文政権はどうするのか?

 《北朝鮮国連代表部 韓国に亡命の13人の送還求める声明》

 NHKは1月31日、こう報じた。スイスにある北朝鮮の国連代表部が30日、報道機関宛ての声明で、2016年に集団亡命した北朝鮮レストランの女性従業員ら13人の送還を、韓国に突きつけたという。

 女性従業員12人と男性支配人1人は、中国浙江省寧波の北朝鮮レストランで勤務していたが、16年4月に東南アジアを経て韓国に亡命した。女性従業員はエリート層の出身とされ、美女ぞろいで知られる。

 亡命以来、北朝鮮当局はことあるごとに返還を求めてきた。先月9日の南北閣僚級会談でも、韓国が南北離散家族再会事業の実施に向けて赤十字会談を提案したところ、北朝鮮は従業員の送還が前提と主張し、交渉は決裂した。

 北朝鮮は最近、2月9日開幕の平昌五輪をめぐって、韓国に揺さぶりをかけ続けている。29日にも北朝鮮南東部、金剛(クムガン)山で開催予定だった南北合同文化行事について一方的に中止を通告してきた。

 韓国を率いる文大統領は、五輪を通じた南北関係の改善を「夢想」しているようだが、北朝鮮は「核・ミサイル開発」を放棄せず、五輪開幕前日の8日、平壌(ピョンヤン)郊外で軍事パレードまで計画している。

 韓国国内では、こうした文政権の「従北」姿勢への反発も高まっているが、政権が態度を改める気配はない。

 朝鮮日報(日本語版)は30日、文正仁(ムン・ジョンイン)大統領特別補佐が「北朝鮮が五輪に参加して体制宣伝しようという意図を持っていても、そのまま放っておこう」と発言したと伝えた。

 危機感ゼロ、北朝鮮に従属するような発言だ。平昌五輪が北朝鮮に乗っ取られる可能性はさらに高まっている。