韓国、北朝鮮に屈服、万景峰号入港あっさり認めた文政権 中央日報「韓日米の連携に亀裂」

韓国・東海市の港に入港した北朝鮮の貨客船「万景峰92」=6日(共同)

 平昌(ピョンチャン)冬季五輪への参加をめぐり、北朝鮮が“制裁破り”を次々と実現している。「従北」の韓国・文在寅(ムン・ジェイン)政権は北朝鮮の要求に屈するばかりで、事実上の「抜け穴」と化している。韓国の行為は、「核・ミサイル開発」に狂奔する金正恩(キム・ジョンウン)政権の延命を助けることにほかならない。9日の五輪開会式には、日本から安倍晋三首相、米国からはマイク・ペンス副大統領が出席する。韓国に対し、教育的指導を行う可能性が高い。

 五輪開幕を3日後に控えた6日夕、北朝鮮の貨客船「万景峰(マンギョンボン)92」が韓国・東海(トンヘ)市の港に入った。五輪に合わせて公演を行う、美女団員が多い三池淵(サムジヨン)管弦楽団を乗せていた。

 万景峰号はかつて日本にもたびたび寄港していた。

 在日朝鮮人の祖国訪問に利用されてきた「表の役割」の陰で、在日工作員が呼ばれ、北朝鮮本国の指示を伝えられる工作指令の拠点も担っていたとされる。在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の幹部は著書で、一度に10億~20億円の現金が不正に運ばれていたと明かしている。

 日本は2006年、北朝鮮のミサイル発射と核実験を契機に、万景峰号を入港禁止とした。韓国も10年の哨戒艦「天安(チョナン)」爆沈事件を受け、独自制裁で同号の入港を禁止にしている。

 ところが、五輪を通じた「南北融和」に猛進している文政権は「例外措置」として、あっさりと入港を認めた。

 文政権のこの措置に、韓国の保守系メディアは疑問の目を向けている。

 朝鮮日報(日本語版)は6日、《万景峰号で芸術団派遣、制裁崩しを狙う北朝鮮》という見出しの記事で、「韓国政府は、米国などと十分に事前調整することもなく北朝鮮の要求を受け入れてから『後始末』をする-という動きを繰り返し、問題を大きくしている」と指摘した。

 記事では、外交消息筋の話として「国際社会による北朝鮮制裁の骨幹を成しているのが金融制裁と海運制裁。万景峰号の投入は、韓国を利用して海運制裁を崩す」という“制裁破り”の見方を紹介している。

 中央日報(同)も同日、《北の万景峰号カード、韓日米の海上制裁連携に亀裂も》という記事で、北朝鮮が五輪を悪用して、高官級代表団を率いる金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議常任委員長の来韓に、国営「高麗航空」の利用を画策する危険性に言及した。

 高麗航空の往来を認めることは、「国連制裁違反に抵触する」との見方もある。だが、金永南氏の90歳という年齢や健康を理由に、北朝鮮がゴリ押ししてくる恐れがあるのだ。

 いくら「平和の祭典」とはいえ、制裁を骨抜きにするような北朝鮮の要求に、韓国はなぜ屈し続けるのか。

 朝鮮半島情勢に精通する麗澤大学の西岡力客員教授は「文大統領はじめ文政権の幹部たちの大部分は、主体(チュチェ)思想派で主体思想にシンパシーを持っており、不思議ではない」と批判し、続ける。

 「問題は、韓国が裏でカネを渡さないかということだ。米国が監視を強化しているため、金融機関を利用した送金は困難だろうが、万景峰号は日本からドルや円を北朝鮮に持ち出した過去がある。現金でドルを持ち出される恐れはあるのではないか」

 現に、左派の金大中(キム・デジュン)政権時代、南北首脳会談(2000年)前に、韓国の現代グループが北朝鮮に5億ドル(約560億円)を送金し、うち1億ドルが会談実現の対価として、韓国政府が支払ったことが分かっている。

 日米両政府は、韓国と北朝鮮にどう対峙(たいじ)すべきか。

 西岡氏は「(日米などの)情報当局がそういうことがないように、きちんと見張る必要がある。さらに、五輪終了後には、延期した米韓合同軍事演習を縮小することなく行うべきだ。五輪開幕前日に予定されている北朝鮮の軍事パレードに対し、日米韓3カ国で共同で抗議するよう求めるべきだ」と話している。