北が軍事パレード実施 5万人動員、ICBMも登場か 韓国報道

北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長

 【江陵=桜井紀雄】平昌五輪開幕を翌日に控えた8日、北朝鮮は、朝鮮人民軍創建70年の記念日を迎えた。平壌の金日成(キム・イルソン)広場で同日午前、大規模な軍事パレードを開いたと、聯合ニュースが韓国政府消息筋の話として報じた。将兵約1万3千人を含む5万人が動員されたもようだ。

 別の政府消息筋は、7日の準備の過程でミサイルを搭載した移動式発射台が捕捉されたともしており、米本土を狙った大陸間弾道ミサイル(ICBM)など核戦力を登場させた可能性がある。五輪参加で韓国の取り込みを図る一方、軍事力誇示して日米への対抗姿勢を鮮明にし、日米韓の連携を分断するのが狙いとみられる。

 北朝鮮は、五輪への代表団として金永南(ヨンナム)最高人民会議常任委員長や金正恩朝鮮労働党委員長の妹、金与正(ヨジョン)氏の派遣を表明。米国からはペンス副大統領らが出席するが、8日付党機関紙、労働新聞によると、北朝鮮外務省局長は7日、「明確にしておくが、訪問中に米国側と会う意向はない」と述べた。「われわれは米国に対話を哀願したことはなく、今後も同じだろう」とも主張した。

 北朝鮮代表団の1人、崔輝(チェ・フィ)国家体育指導委員長は、国連安全保障理事会の制裁対象に指定されている。聯合ニュースやによると、韓国国連代表部は7日(米東部時間)、崔氏の韓国渡航を例外措置として認めるよう安保理に要請した。

 平壌ではこれまで、大勢の人員を集め、軍事パレードを準備する動きが衛星写真で捉えられてきた。今回、約5万人を動員したパレードやマスゲームのほか、戦闘機や輸送機を使った航空ショーを実施した可能性もある。

 北朝鮮は今回の記念日に合わせ、外国メディアに訪朝を打診しながら不許可にした。外国の批判や介入をさせようとする意図もありそうだ。

 五輪会場がある韓国・江陵(カンヌン)では8日夜、北朝鮮の「三池淵(サムジヨン)管弦楽団」による公演が予定されている。“南北融和”と“軍事力”を五輪開幕前日に同時に見せつけることで、文在寅(ムン・ジェイン)政権を揺さぶっている。