米副大統領が“美女ボケ”韓国を叱責 米軍はにらみきかせる「隠密警戒体制」

安倍首相(右)との会談を経て韓国に乗り込んだペンス米副大統領(AP)

 9日開幕の韓国・平昌(ピョンチャン)冬季五輪に合わせ、米軍が「隠密警戒体制」を敷いた。北朝鮮が8日、大規模な軍事パレードを断行するなか、朝鮮半島周辺に、世界最強の原子力空母「カール・ビンソン」を中心とする打撃群などを展開し、「南北接近」を牽制(けんせい)しているのだ。マイク・ペンス米副大統領は同日、「従北」姿勢を強める韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と会談し、北朝鮮の「核・ミサイル開発」放棄に向けた「日米韓連携の重要性」を指導する。

 「北朝鮮のプロパガンダ(体制宣伝)が、五輪をハイジャックすることは許さない」「北朝鮮への妥協は、挑発を招くだけだ」「すべての選択肢がテーブルの上にある」

 ペンス氏は7日、安倍晋三首相との会談後に臨んだ共同記者発表で、こう強調した。

 さらに、「ならず者国家」「最も独裁的で、抑圧的な政権」「国民に刑務所のような生活を強いる残酷な政権」などと痛烈な言葉で、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長率いる北朝鮮を非難した。ドナルド・トランプ大統領以上のタカ派ぶりがうかがえた。

 安倍首相とペンス氏は、少人数会合と全体会合を合わせて、何と約2時間も北朝鮮問題を中心に語り合った。

 北朝鮮の「核・ミサイル開発」の放棄に向け、あらゆる手段で圧力を最大限まで高める方針を確認し、過度な「従北」傾斜が目立つ韓国・文政権に3カ国連携の堅持を求めることで一致した。

 一方の北朝鮮は、平昌五輪に美女軍団などを送り込み、韓国世論を揺さぶる一方、朝鮮人民軍創建70年の記念日を迎える8日、平壌郊外で大軍事パレードを断行。大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星14」「火星15」などを登場させ、米国に対し、核抑止力を誇示する可能性がある。

 ただ、日米メディアの現地取材は、急きょ取りやめになったという。

 強硬姿勢の北朝鮮に対し、トランプ米政権は一歩も引く構えはない。

 「平和の祭典」に水を差さないよう、米韓両国は、平昌五輪期間中の合同軍事演習を延期したが、安倍首相とペンス氏は、米韓合同軍事演習の実施は重要だとの認識を共有した。

 米軍は、朝鮮半島周辺で静かに「軍事的圧力」を講じ、にらみをきかせている。

 米領グアムには、「死の鳥」と呼ばれるB52戦略爆撃機「ストラトフォートレス」や、B1B戦略爆撃機「ランサー」、B2戦略爆撃機「スピリット」を配備し、朝鮮半島周辺では、原子力空母「カール・ビンソン」を展開する。長崎・米海軍佐世保基地には、F35B最新鋭ステルス戦闘機を艦載機として運用する強襲揚陸艦ワスプ(4万532トン)が到着した。

 さらに、国防総省は、世界最強の特殊部隊を朝鮮半島に増派した。五輪中に訪韓する米政府代表団には、ビンセント・ブルックス在韓米軍司令官や、ジェームス・サーマン前在韓米軍司令官ら軍人も含まれている。

 こうした米側の動きを警戒し、北朝鮮は猛反発している。

 北朝鮮の李容浩(リ・ヨンホ)外相は、国連のアントニオ・グテレス事務総長に宛てた書簡で、韓国との関係に改善の兆しが出るなか、米国が「これに逆行する危険な軍事的動き」を見せていると非難した。朝鮮中央通信が1日報じた。

 書簡では、米国が原子力空母などを朝鮮半島周辺に展開していると主張し、平昌五輪後に「侵略的な(米韓)合同軍事演習を強行すると公言している」と反発した。

 ペンス氏の訪韓には、北朝鮮に傾斜する文政権をつなぎ止め、「日米韓の軍事的連携」を強めるとともに、北朝鮮主導で演出された「南北融和」ムードにクギを刺す狙いがありそうだ。

 一連の米側の動きをどうみるか。

 軍事ジャーナリストの井上和彦氏は「冷戦中のロサンゼルス、モスクワ両五輪で東西陣営はボイコットし合ったが、今回ほど軍事的緊張が高まっている五輪は、過去にないのではないか。『冷戦の再来』といえる。米国は、北朝鮮に対する態度をいささかも緩めていない。韓国は『融和』の幻想に浸らず、目を覚ますべきだ」と警鐘を鳴らしている。