【最新国防ファイル】視界360度操縦士と機体が一体化、最新鋭ステルス戦闘機「F-35A」

F-35Aは、三沢基地に向けて飛び立った=1月26日、三菱重工小牧南工場

 今年1月26日、ついに航空自衛隊に最新鋭ステルス戦闘機「F-35A」(ライトニングII)が実戦配備された。まず、4機を米国から購入する。

 空自では、2016年11月28日から、米ルーク空軍基地(アリゾナ州)で、同機体を用いたパイロットや整備員の教育をスタートした。昨年12月には、三菱重工小牧南工場(愛知県豊山町)でライセンス生産された国産1号機も、最終検査のために渡米している。

 こうして機体の受領および教育、生産が進むなか、昨年12月1日、空自三沢基地(青森県三沢市)に「臨時F-35A飛行隊」が新設された。ルーク空軍基地で教育を終えた隊員らが随時帰国し、この部隊の中核となっていく。今回は1機のみだが、段階的にF-35Aが同部隊へと引き渡されていく。

 米軍は、F-35とイージス艦を用いた「NIFC-CA」(海軍統合射撃指揮)を完成させつつある。地球は丸いため、イージス艦の高性能対空レーダーであっても、敵との距離が遠くなるのに比例して、海面とレーダー波の距離も離れていき、死角が生まれてしまう。

 敵はそこを突き、巡航ミサイルなどを水平線スレスレで飛行させ、発見させないようにする。ミサイルとの間合いが近くなれば、その分、対処は遅れてしまい、艦艇が撃沈されたり、領土が攻撃されたりする可能性が高まってしまう。

 そこで、F-35が領空ギリギリのところまで飛んでいき、敵ミサイルを捜索する。発見に至れば、その情報をイージス艦へと送り、F-35の誘導のもと、巡航ミサイル迎撃用の「SM-6」対空ミサイルを発射し、撃墜する。

 16年より米軍にて実験が開始されたばかりで、まだ実用化には至っていないが、日本も同じように、海上自衛隊の「こんごう」型や「あたご」型イージス艦、陸上配備型システム「イージスアショア」と、F-35によるNIFC-CAを構築することになるだろう。

 F-35用のヘルメットは、1個約4500万円もする。これをかぶることで、機体とパイロットを一体化させる。機体表面には6個のセンサーカメラが取り付けてある。各カメラの映像はつなげられ、360度の映像としてバイザーの内側に投影される。

 例えば、パイロットが下を向けば、自分の体、そして機体をも透過し、眼下の景色が映し出される。まるでパイロットが鳥のように空を飛んでいるかのような操縦を可能とした。

 現在、「F-4ファントム」を運用している第302飛行隊(茨城県・百里基地所属)は、今年度末までに三沢基地へと移駐し、臨時F-35A飛行隊と合併改編する。これに伴い、F-35Aを運用する新第302飛行隊へと生まれ変わる計画だ。唯一残ったファントム飛行隊である第301飛行隊(百里基地所属)についても、2020年までに全機をF-35Aへと入れ替え、三沢基地へと移駐する。

 ■菊池雅之(きくち・まさゆき) フォトジャーナリスト。1975年、東京都生まれ。陸海空自衛隊だけでなく、各国の軍事情勢を取材する。著書に『こんなにスゴイ! 自衛隊の新世代兵器』(竹書房)、『ビジュアルで分かる 自衛隊用語辞典』(双葉社)など。