【喫煙を考える】三次喫煙の健康影響「ニコチン以外の物質では?」 長崎国際大・佐藤准教授「全面禁煙の動き、科学的に検討を」

利用者が増えている加熱式たばこ。大幅にニオイは少なくなった

★“たばこのニオイ”を考える(下)

 受動喫煙防止対策として、たばこ臭を問題にするケースがある。

 しかし、「たばこ臭にニコチンの寄与は極めて低いのかもしれない」というのが、長崎国際大学薬学部でたばこ煙のニオイに関する研究を行っている佐藤博准教授の見解だ。

 「従って、ニオイは残っていても煙がきれいに消えていれば、他の物質はよく分かっていませんが、ニコチン曝露(ばくろ)に限れば少ないのかもしれません」という。

 最近は、たばこの煙に直接さらされなくても、三次喫煙(サードハンドスモーク)の健康影響を指摘する声もある。三次喫煙とは、喫煙により部屋の壁や家具、衣類などに付着したたばこ煙の成分が再度空気中に放散し、それを第三者が吸い込むことだ。

 それについて佐藤准教授は、「部屋の壁や天井などについたたばこ煙成分は、ニオイを発し続けるが、ニコチンの放散は初期のみしか多く観察できませんでした」と指摘。

 「そのことからも、もし三次喫煙に健康影響があるとするなら、それはニコチンの寄与は低く他の物質だと思います。ただしニオイについては、壁などに付着すると、日を追うごとに変質して、どんどん嫌なニオイになっていくので、健康影響は別として、被害を訴える声はあるかもしれませんが」という。

 そういうニオイの専門家が注目しているのが、最近利用者の増えている加熱式たばこだ。

 「ニオイの被害に限って言うと、紙巻きたばこより加熱式たばこの方がいいのは確か。苦情は確実に減ります。健康影響については、各メーカーがニコチンの排出量などを示していますが、まだまだこれから明らかにしていかなければいけない問題が多く残っていると思います」

 ニオイも関連するが、最近のたばこ・喫煙規制の厳しさについても佐藤准教授はこう考える。

 「飲食店などを全面禁煙にしようという動きがあり、さまざまなことを考慮すると当然のことと思います。しかし、科学的根拠を基にさらに検討されればと願っています」

 たばこが存在する限り、吸う人がいなくなることはない。健康影響の点を配慮するとどこに落ち着くのか、まだまだ模索していく必要がありそうだ。