【江田憲司 俺がやらねば】モリカケ問題、昭恵夫人と加計理事長の喚問が不可欠

衆院予算委員会で安倍首相に質問する江田氏(左)=5日、衆院第1委員室 

 国会で、森友・加計学園問題が取り沙汰されています。

 私は一切、追及してきませんでしたが、かつて自民党政権で官邸に勤務し、橋本龍太郎首相夫人を担当した経験に照らしても、納得しがたいことが多々あります。そこで5日の衆院予算委員会で初めて取り上げました。

 まず森友問題です。安倍昭恵首相夫人が、学園が設置を目指した小学校の名誉校長に就任し、そのパンフレットに顔写真とメッセージを出し、学園を何度も訪問。講演で「この小学校に何か、私もお役に立てれば」と言えば、随行した経産省出向の夫人付職員が上司に報告するのは当然です。

 その上司とは、同じ経産省出向の政務(首席)秘書官か、事務秘書官。行政改革で人繰りが厳しい折に夫人付を2人も常駐で出せたのは、この秘書官が母屋の経産省にお願いしたからです。その報告を受けた秘書官が、財務省に「これは安倍晋三首相、夫人案件だからよろしく」と一本電話するのは自然なことでしょう。夫人付が、学園からの問い合わせについて、財務省に照会した結果を回答したファクス文書まで出てきた。ここまで状況証拠がそろえば、「昭恵夫人主導」という強い推定が働きます。本人の自白だけがない状況ですから、昭恵夫人の証人喚問が不可欠なのです。

 首相夫人は第三者からみれば、首相の分身または代理です。その抜群の信用力を狙って、あいさつや祝辞、肩書の貸与など多くの要請が来ます。しかし、一私人や一私企業、一私学の要請を受けると、企業であれば利益、学校であれば認可や補助金につながる。厳に慎むべきなのです。

 今回の質疑で、安倍首相もやっと、今後は昭恵夫人の活動自粛に努める考えを表明しました。

 次に加計問題です。報道によると、2015年4月2日に当時の柳瀬唯夫首相秘書官と愛媛県今治市の関係者が会い、何と、加計学園の関係者も同席していた。5日後の4月7日には、安倍首相が、友人の加計孝太郎理事長と会食していた。

 私の秘書官経験から言って、首相秘書官が「腹心の友」案件で関係者と会い、直後、その腹心に首相が会う時、事前に面会の事実を耳打ちしないことなどあり得ません。

 なぜこれを問題視するかというと、首相が学園の獣医学部新設計画を知ったのは、国家戦略特区の申請が認められた17年1月20日だと強弁しているからです。それまで知らなかったのだから、自分の関与もなかったと。

 しかし、文科省の文書では、馳浩元文科相も、前川喜平前文科事務次官も、「官邸の最高レベルが言っている」と発言したという当時の内閣府審議官も、前川氏に「総理の口から言えないので」と特区の指定手続きを早めるよう指示したという首相補佐官も、首相秘書官も知っていたとされます。どうして安倍首相だけが知らなかったのか!

 首相の発言が事実なら、15年4月2日に柳瀬秘書官が知ってから、17年1月20日に首相が知るまでの間、首相と秘書官の間で一切、加計の「か」の字も出なかったことになります。あり得ないことです。加計氏の証人喚問も欠かせません。(江田憲司・民進党前代表代行)