【桂春蝶の蝶々発止。】いわく付きの「平昌五輪」 落語界も難しいのに、南北「統一」なんて…

文大統領(右)と、金与正氏。北朝鮮の「核・ミサイル開発」に目をつぶった「南北融和」は評判が悪い(AP)

 平昌(ピョンチャン)五輪が開幕しましたね。

 私は長く、スキー・インストラクターをやっていました。相手は、おじいちゃんや、おばあちゃんばかり。「シニア・スキーツアー」が人気で、昼間はスキーを教え、夜は落語を楽しんでいただきました。若手の食えなかった時代、あの仕事には救われましたよ。

 当時、付けられたあだ名が「不吉」で、みなさんから「スベる落語家」と言われていました(苦笑)。そんなわけで、冬季五輪は好きなんです。

 しかし、平昌五輪ほど「いわくつきの大会」は、近年なかったのではないですかね?

 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、北朝鮮代表団を厚遇し、対北制裁も解除し、「たいこ持ち」と批判されました。世界からも総スカンを食らっています。

 文氏にとって「南北朝鮮の統一」は悲願でしょうが、露骨すぎる自国開催での過剰演出。あれは、やり過ぎですよね。世界の視線は、平昌の気温より、ずっと冷たかったのではありませんか?

 「統一」って、容易ではないと思いますよ。

 われわれが生息する「落語界」を例に話をさせていただきます。

 落語界は大きく東西に分かれていて、東の「江戸落語」と、西の「上方落語」。われわれ上方落語は1つの協会ですが、江戸には「落語協会」「落語芸術協会」「落語立川流」「円楽一門会」とあり、寄席に出られる出られないなど、その属性は複雑なのです。

 われわれ上方落語家も、やっと最近になって東京の寄席に出させていただきますが、正直めちゃくちゃ楽屋で気を使いますよ。できるだけ端の方でこっそり着替えて、高座が終われば、邪魔にならぬよう直ちに失礼する(笑)。あくまで「よそ者」であることを、きっちりわきまえなければならないのです。

 よく、「いつになったら『笑点』に出るねんなー?」と、大阪の友人に言われますが、江戸落語家の掌中の玉であるレギュラーの座。「上方落語家に譲り渡すわけねーだろ バカ!」と言いたくなりますね(笑)。

 落語界でも、これだけ複雑なんですよ。それが国家と国家の「統一」なんてハードルが高すぎます。よほど難しいだろうなと思えてなりません。

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は五輪に合わせて、妹の金与正(キム・ヨジョン)氏を、青瓦台(韓国大統領府)にまで派遣してきました。

 これは経済制裁が効いて、北朝鮮の事情も差し迫っている証拠でもあります。日米韓は結束を固めて、対北圧力を強めなければなりません。

 とにかく、文氏は慰安婦問題など、今後一切口にしないことですね。日本と米国に愛想を尽かされたら、あなたの国は本当に終わりですよ。 

 ■桂春蝶(かつら・しゅんちょう) 1975年、大阪府生まれ。父、二代目桂春蝶の死をきっかけに、落語家になることを決意。94年、三代目桂春団治に入門。2009年「三代目桂春蝶」襲名。明るく華のある芸風で人気。人情噺(ばなし)の古典から、新作までこなす。14年、大阪市の「咲くやこの花賞」受賞。