【新・悪韓論】韓国版ボランティア「自願奉仕者」は五輪組織委の奴隷同然 不衛生の宿舎、刑務所以下の飯、ノロ感染も放置、そのまま“追放処分”

平昌五輪の開会式。入場する日本選手と、誘導するボランティアスタッフ(AP)

 日本人が普通に想像する「ボランティア」のイメージは、世界標準と懸け離れている。英語圏での意味は、もっぱら「志願兵」だ。韓国語では、ボランティアのことを「自願奉仕者」(チャオンボンサジャ)と言う。これまた世界標準とは懸け離れた実態がある。

 とりわけ平昌(ピョンチャン)冬季五輪の自願奉仕者は「居住場所と3度の食事を与えられることで、薄給あるいは無給で働く季節労働者」といえようか。韓国型身分制度の中では、五輪組織委員会(両班=ヤンバン)にこき使われる、奴隷のような存在であり、さまざまな問題が起こる。

 冬季五輪が開かれている韓国・江原道(カンウォンド)は過疎地だ。江原道の面積は、岩手県よりわずかに広い。人口約152万人で、1平方キロメートルあたりの人口密度92人。岩手県の84人より、わずかに多い。

 競技の中心会場がある平昌郡はとりわけ「過疎の中の過疎地」だ。面積は江原道のほぼ12分の1を占めるが、人口は4万、人口密度は30人に達しない。

 地元の人間、特にサービス業者にとっては、人生に2度とない「ぼったくりのチャンス」だ。地元に住むボランティアはほとんど集まらない。

 しかし、ソウルや釜山から集まってくる。毎日、ソウルや釜山から通うわけにはいかない。組織委は、古くなり使われていない宿泊施設などを借り上げて、ボランティアを押し込める。

 そこは、限られた時間しか温水が出ないのは当たり前。500人に洗濯機が3台しかない施設もあるらしい。しかも、組織委の指揮系統は滅茶苦茶で、会場と結ぶバスが1時間待っても来ない。ボランティア用の食事は、ソウル新聞(韓国語サイト1月26日)の表現を借りれば「刑務所の飯もこれよりはいい」で、日本人がイメージするようなボランティアは、早々と離脱してしまった。

 それでも残っているのは、辞めたら翌日から考試院(コシウォン=1坪ほどに区切った宿泊施設)の料金にも、食事代にも困る人々が相当数いるということになろう。

 CBSニュース(2月19日)が伝えた事例は興味深い。

 釜山から出てきて「スキージャンプ場で“勤務”していた」自願奉仕者(25歳)がノロウイルスに感染した。「共同食堂への立ち入り禁止」を通告されたが、宿舎に放置されているだけで食事は与えられなかった。組織委に何度電話しても有効な措置はなし。

 それでパラリンピックが終わるまでの予定を取りやめ、釜山に帰ったというのだ。

 韓国のマスコミは、学生には必ず「大学生」の肩書を付けるが、CBSニュースは「大学生」とはしていない。すると、25歳の若者は釜山で何をしていたのだろうか。

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領夫妻は18日、ボランティア用共同食堂を訪問し、プルコギ、ワカメスープなどの食事をとり、「きょう出てきたものを見たら大丈夫ですね」と述べた(中央日報18日)という。

 大統領が来たときだけ、特別のメニューにしたに決まっているではないか。なぜなら、組織委がボランティア用食糧費を増額補正したわけではないのだから。

 ■室谷克実(むろたに・かつみ) 1949年、東京都生まれ。慶応大学法学部卒。時事通信入社、政治部記者、ソウル特派員、「時事解説」編集長、外交知識普及会常務理事などを経て、評論活動に。著書・共著に『悪韓論』(新潮新書)、『崩韓論』(飛鳥新社)、『韓国リスク』(産経新聞出版)など多数。