内閣の看板政策に泥…「三流」ぶり露呈の厚労省データ不備問題 与党からも批判噴出

全データの精査を命じた安倍首相。右は加藤厚労相

 裁量労働制をめぐる厚労省のデータ不備問題で、与党からも批判の声が噴出している。新たな“不適切データ”が117件も見つかるなど、中央官庁としては考えられない「三流」ぶりを露呈しているからだ。安倍晋三首相は、1万件超という全データの精査を表明した。以前から、事件や不祥事を繰り返す厚労省に対し、解体的再生を求める声もある。

 「改めておわびする」「調査票と入力したデータを突き合わせ、精査しなければならない」

 安倍首相は22日の衆院予算委員会の集中審議で、こう答弁した。

 看板政策である「働き方改革」に泥を塗った厚労省への怒りを高めているようだった。

 働き方改革は、少子化で労働力が減っても日本が経済成長を続けられるよう、生産性の向上を目指す最重要政策である。裁量労働制の適用拡大をめぐっては、長時間労働を生じさせた事業者を徹底指導するなど、法案に対策を盛り込む方針だ。

 ところが、その前提となる労働時間の調査で、誤った記入や入力ミスとみられる例が次々と発見された。職務への緊張感が欠落しているのか。

 先の集中審議では、与党からも「極めて不適切。答弁の信頼性を揺るがしかねない」「猛省すべきだ」(公明党の佐藤茂樹氏)、「大いに反省すべきだ」(自民党の宮下一郎氏)などと批判が続出した。当然だ。

 厚労省としては、働き方改革関連法案に盛り込む裁量労働制の適用拡大などの施行を予定より1年遅らせる方向で検討している。

 だが、公明党が22日、国会内で開いた会合では、出席者から「単に施行を1年延期するだけでは済まない」との批判が相次いだ。

 同法案はまだ国会提出されていないが、2018年度の予算案審議にも影響しつつある。

 衆院予算委の理事会で22日、与党側は27日に、予算案の採決を行いたいと提案したが、野党側と折り合わず、引き続き協議することになった。

 安倍首相は「働き方改革」を実現するためにも、厚労省に厳罰を科すべきだろう。