米韓、歴史問題めぐり“場外乱闘”過熱 「日本は韓国の手本」発言を米経済誌が擁護 室谷氏「関係は悪化しつつある」

五輪を政治利用する文大統領(中央)だが、大丈夫か(AP)

 米国と韓国で歴史問題をめぐる“場外乱闘”が過熱している。平昌(ピョンチャン)冬季五輪開幕式で「日本は韓国の手本」と発言した米NBC放送の解説者が謝罪に追い込まれたが、米経済誌が解説者を擁護する記事も韓国メディアで取りざたされた。「従北・反米・反日」の文在寅(ムン・ジェイン)政権が対北融和にこだわる限り、米韓関係は悪化したままとの見方も浮上する。

 「ラモ氏の発言は重要な真実を含んでいる」。12日付の米経済誌「フォーチュン」(電子版)はこう指摘した。

 記事が指すラモ氏とは、NBC放送の解説者、ジョシュア・クーパー・ラモ氏のことだ。9日の平昌五輪開会式の中継で、韓国が日本の統治下にあった歴史に触れ、「すべての韓国人は彼らの社会の変化において、文化的、技術的、経済的に日本が大変重要なお手本になったと言うだろう」とコメントした。

 この発言に対し、韓国中で非難が広がった。ラモ氏が米コーヒーチェーン大手「スターバックス」の取締役を務めているため、一時は同社の不買運動にまで発展する可能性も報じられた。ラモ氏は14日、ツイッターで謝罪、「韓国の歴史の一部を軽視する意図はなかった」などと投稿した。

 一方、フォーチュンの記事は、韓国を経済発展させた朴正煕(パク・チョンヒ)元大統領を例に挙げてラモ氏の発言を擁護するものだった。朴氏が日本の陸軍士官学校で学んだことや、大統領になった後に日本の経済政策を模倣したことを紹介し、「韓国がいかに日本に学んだかを指摘した点でラモ氏は正しい」と指摘した。同誌の記事は最近になって韓国メディアで紹介され、火種がくすぶっている。

 韓国に精通するジャーナリストの室谷克実氏は「(ラモ氏らが)謝罪したということを聞いたとき、『米国の言論の自由はその程度か』と思ったが、米国でも分かっている人は分かっているということなのだろう」と話し、「今のところはフォーチュンにまで飛び火していないようだが、同じような動きが続けば、韓国で批判の声が燃え上がるだろう」とみる。

 文政権は、平昌五輪を利用した北朝鮮の「微笑外交」に屈し、大会に参加した芸術団や応援団への費用支援を決定。国連安保理制裁で渡航禁止となっていた北朝鮮幹部の韓国入国も「例外措置」として認めた。事実上の“制裁破り”ともいえる行動で、米国は韓国への不信感を強めつつある。

 前出の室谷氏は「(米韓関係は)悪化しつつあるということだろう。その一番大きな原因は文政権の対北朝鮮政策だ。ありえないことだろうが、文政権が北朝鮮に対する姿勢を改めない限り、米国との関係は良くならないだろう」と話している。文政権が続く限り、米韓関係の改善は見込めそうにない。