カレンダー業界「待つしかない」にやきもき 新元号と祝日の発表は来年以降の可能性

新元号をめぐってカレンダー業界がてんやわんや(1989年1月7日、「平成」を発表する小渕恵三官房長官)

 2019(平成31)年4月30日で天皇陛下が譲位し、新天皇が即位する5月1日から始まる新元号について、政府の発表が来年以降に遅れる可能性が出てきた。天皇陛下と新天皇との「二重権威」を避けるためとされるが、業務に影響があるとして早期の発表を望んできたカレンダー業界はてんやわんや。「要望を伝えているが、国が決めることなので待つしかない」とやきもきした状態が続いている。

 全国の約30の業者が加盟する全国カレンダー出版協同組合連合会(東京都台東区)よると、カレンダーは通常、毎年秋ごろには2年後の印刷準備を始める。用意されるカレンダーは毎年約1億冊。印刷と製本、注文に合わせて企業名を入れるなどし、11月下旬の納期まで約1年はかかる。

 19年分もすでに作業が始まっていなければならないが、今年は2月下旬になっても、作業は進んでいないという。

 新元号の発表が遅れても、カレンダー自体は必要とされるため、現場からは「納期までに何割入れることができるかどうか不安」といった声が聞かれるという。

 やきもきしているのは新元号だけではない。同連合会は「新元号は大事で早く知りたいのはやまやまだが、国民生活に大きく関わってくるのは、祝日の問題」と話す。

 実際、新天皇が即位される19年5月1日を祝日とするかどうかも決まっておらず、カレンダーの数字の色も祝日を意味する赤にするか、平日を意味する黒にするかも分からない状況だ。

 さらに印刷会社の設備によって、印刷開始時期が異なるため、祝日の発表時期によっては、祝日なのに平日表記など暦の違うカレンダーができる可能性もあるという。

 同連合会は「スマートフォン時代でも実際のカレンダーを見て曜日や祝日を確認している人も多い。もし、祝日の表示が違うカレンダーが混在すればカレンダーへの信頼が損なわれかねない」と懸念する。

 昭和から平成への改元は、昭和天皇の崩御後に新元号が発表され、1989年1月8日に行った即日改元だった。当時、カレンダーについては差し替えや回収もなく、多くは昭和64年のまま使われていたという。

 今回の譲位は、明治天皇以降では初めて「崩御」によるものではなく、事前に準備できる時間があるとみられていた。改元は国民生活に関わってくるだけに、新元号と祝日の発表を待ち望んでいる人々はカレンダー業界だけではなさそうだ。