習氏“第2の毛沢東”か 『3選禁止』撤廃へ憲法改正案…識者「暗黒時代に逆戻り」

着々と独裁体制を進めていく習近平国家主席(AP)

 中国の習近平国家主席が、「個人独裁」への道を突き進んでいる。中国共産党中央委員会が25日、国家主席の任期に関し、連続2期10年までとする「3選禁止規定」を撤廃する憲法改正案を全国人民代表大会(全人代=国会)に提出したのだ。3月に開幕する全人代で可決され、改正後は終身支配が可能となる。党主席として終身、最高権力者だった毛沢東を目指しているのか。「暗黒の毛沢東時代に逆戻り」という見方もある。

 国営新華社通信が報じた改正案は、3選禁止規定の削除のほか、習氏の指導理念「習近平の新時代の中国の特色ある社会主義思想」も明記した。習氏の指導理念は、昨年10月の党大会で党規約に盛り込まれた。

 習氏は昨年10月から、党のトップである総書記の2期目に入り、国家元首にあたる国家主席の2期目は、3月の全人代で再選されて始まる。任期は2023年までだが、昨年の党大会を経た最高指導部人事では、習氏の後継者が指名されず、長期政権に向けた布石とみられていた。

 国家主席の3選禁止規定は1982年公布の現行憲法で設けられた。背景には、毛沢東への個人崇拝が多数の犠牲者を出した政治闘争「文化大革命」(66~76年)を招いたという反省がある。

 個人独裁を避ける目的で、トウ小平が中心となって築いた集団指導体制が、今回の国家主席の任期撤廃で崩壊しそうだ。

 評論家の石平氏は「今回の憲法改正により、習氏の『終身独裁体制』に道が開かれ、暗黒の毛沢東時代に逆戻りすることになる。トウ小平時代も共産党の1党独裁だったが、個人独裁ではなかった。そうした改革をひっくり返し、国家と人民の運命を手中に収める新たな『皇帝』が誕生することになる」と話している。