【永田町・霞が関インサイド】日露交渉の肝、「ラブロフ外相交代」情報の真贋の見極め

河野外相(左)と、ロシアのラブロフ外相。北方領土返還につなげられるか(共同)

 最近、国際舞台で話題となることが多いが、河野太郎外相の存在感が際立っている。

 2月16~18日、ドイツで「ミュンヘン安全保障会議」が開かれた。

 国連のアントニオ・グテーレス事務総長、テリーザ・メイ英首相、ジャンクロード・ユンケルEU(欧州連合)委員長、河野外相、ジグマール・ガブリエル独外相、ジェームズ・マティス米国防長官、ハーバート・マクマスター米大統領補佐官(国家安全保障担当)、セルゲイ・ラブロフ露外相、傳瑩・中国全人代外事委員会主任ら70カ国・機関から、首脳や閣僚らが集まり、外交・安保問題を話し合った。

 河野外相は同地でラブロフ外相と会談し、ウラジーミル・プーチン大統領が3月18日の大統領選で再選された直後の同21日に、東京・飯倉の外務省公館で改めて会談することで合意した。

 安倍晋三首相は5月24~26日、サンクトペテルブルク国際経済フォーラム出席のためロシアを訪れるが、その環境整備のための日露外相会談だった。

 実は、ラブロフ外相(67)は日露交渉の肝である、北方領土・平和条約締結問題で「対日強硬派」として知られる。

 生粋の外務官僚である同氏は、外務次官、国連大使を経て2004年3月に外相に就任、以来12年間も外相の座にいる。

 旧ソ連時代に28年間外相を務め、「ミスター・ニエット(ノー)」と言われたアンドレイ・グロムイコ氏に次ぐ長さである。

 それはともかく、外務省が今、注視しているのは、「プーチン再選後の新体制人事で、ラブロフ外相が交代する」という情報の真贋の見極めである。

 同氏は、特に北方領土問題で「渡さない」(=ロシア外務省は北方4島について『返還』ではなく『渡す』という言葉を使う)と、常々発言する強硬派の頭目である。

 そのラブロフ氏が表舞台から退けば、と外務省幹部は本音ベースで期待を隠さない。しかも、後任外相として名前が挙がっているのが、アントン・ワイノ大統領府長官(46)なのだ。

 かつて夕刊フジで言及したように、ワイノ氏は在日ロシア大使館勤務経験がある知日派だ。大統領府儀典局第一副局長、内閣官房長官、大統領府副長官を経て、16年8月に同長官に抜擢(ばってき)された出世頭である。

 加えて、4月には、やはり知日派のミハイル・ガルージン現インドネシア大使が新駐日大使として着任する。

 この「ワイノ=ガルージン・ライン」が、ロシア外務省の要路を占めることで、今後の日露交渉が進展することが期待される。その前提は、もちろん、安倍・プーチン親密関係である。(ジャーナリスト・歳川隆雄)