【日本の解き方】G20大阪開催決定の背景に官邸と橋下・松井氏の良好な関係 都構想の住民投票に影響も?

橋下徹前大阪市長

 来年の20カ国・地域(G20)首脳会合が大阪開催に決まった。時期については来年6月末から7月初旬とする方向だという。

 開催地については大阪府・市、愛知県、福岡市が誘致を名乗り出ていた。表向きの決定理由は、各国首脳や同行職員、報道関係者らの宿泊には3万室以上が必要だが、福岡市では用意できなかったからだという。ただし、橋下徹前大阪市長・松井一郎大阪府知事と、安倍晋三首相・菅義偉官房長官との個人的に良好な関係を無視して今回の決定を考えることはできないだろう。

 もちろん大阪は日本第2の都市で、各国要人を迎える施設や空港などインフラもきちんと整備されており、G20開催都市にふさわしいのも事実だ。1995年にアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議が開催された実績もある。

 G20は2008年から開催されている。19年の大阪開催はG20としては14回目だが、日本での開催は初めてだ。「25年の万博大阪誘致にも弾みがつく」と松井知事は語っている。

 大阪の国際的な知名度がアップすれば、観光客のさらなる増加にもつながるだろう。昨17年に大阪府を訪れた訪日外国人客(インバウンド)数は1100万人、消費額は1兆1731億円となった。インバウンド1000万人、消費額1兆円超えは、大阪観光局の統計では初めてで、それぞれ前年比で2割増、3割増という好調ぶりだった。この好調さは来年のG20誘致によって維持されていくだろう。G20が地域経済に与える影響は決して小さくない。

 大阪でのG20では何が議論されるだろうか。G20首脳会合は世界金融危機を受けて開催されるようになった経緯もあり、やはり世界的な課題が取り上げられる。

 1年先の出来事を予想するのは難しいが、日本を含めた各国の関心事として、仮想通貨の規制問題がある。仮想通貨は国境を越えた取引になりうるので、各国との国際的な協調行動が不可避であるからだ。

 G20では、これまでも租税回避やクロスボーダー取引についての国際協調において一定の役割を果たしてきた。仮想通貨は、その使い方によっては各国の租税回避手段ともなり、また仮想通貨取引そのものがクロスボーダー取引の典型なので、G20でどのように対処するのかは、議論にふさわしい課題だろう。今年3月のアルゼンチンでのG20でも議論されるとみられるが、それで仮想通貨問題が解決するとも思えないので、来年の大阪でも議論の対象となってもおかしくない。

 仮想通貨のほかにも、世界経済の成長戦略、途上国開発援助、地球温暖化、テロ対策などは地球規模の課題なので、議論されるだろう。

 今年秋に大阪都構想の住民投票があるとされているが、今回のG20の大阪誘致がどのように影響するのかも、大いに注目すべきところだ。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)