【最新国防ファイル】F-35A配備と今後の展望 陸海と連携、統合打撃力向上へ

F-35A配備記念式典の様子=2月24日、空自三沢基地

 2月24日、航空自衛隊三沢基地(青森県)の格納庫内で、大勢の隊員、関係者、招待客に見守られるなか、「F-35A配備記念式典」が行われた。小野寺五典防衛相も出席し、「高いステルス性を有し、情報収集や警戒監視など多様な任務を実施できる」と改めて強調した。

 現在、「臨時F-35A飛行隊」に配備されている最新鋭ステルス戦闘機「F-35A」は、たった1機だ。同機は、日本で組み立てられた2機目にあたる。米国から輸入した4機と、国内で組み立てた1号機はいま、米国内で試験飛行を行っている。三菱重工小牧南工場(愛知県)では7機目が組み立て中で、間もなく飛行可能な状態まで完成している。最終的に42機を配備する計画だ。

 しかし、ここにきてF-35を取り巻く状況は大きく変わりつつある。

 まず、20機以上を追加購入する方向で、米国との調整に入った。防衛省関係者によると、今年末にまとめる中期防衛力整備計画に、追加配備を盛り込む予定という。

 もともと、F-4ファントムII戦闘機の後継として、F-35Aの配備を進めていたが、初期生産型のF-15イーグル戦闘機も耐用年数の限界に近く、それらも置き換えたい考えはあった。そうなると、42機では足りないので、増産へとシフトするのは、ある程度予測できた流れだ。

 驚かされたのは、国内で組み立てると、米国から完成品を購入するよりも数十億円単位で割高になるため、国内組み立てを取りやめる可能性を示唆した点だ。三菱重工をはじめ、日本の防衛装備品を生産してきた国内企業に衝撃が走った。

 合わせて、短距離離陸・垂直着陸が可能なSTOVL型のF-35Bを配備する可能性が高くなってきた。昨年末、空母型護衛艦「いずも」にF-35Bを搭載し、完全に空母化する、という一部報道があった。当時、小野寺防衛相はその考えを否定していた。

 F-35Bの能力は、南西諸島部の防衛には極めて有効だ。軽空母における艦載機としてだけでなく、粟国空港や慶良間空港など、800メートル~1キロ程度の滑走路が多い、沖縄諸島に存在する、ほとんどの空港での運用が可能だ。

 運用方法こそ違えど、同一機であることには変わりなく、整備面や教育面での効率は良い。並行配備を行うにあたり、デメリットは何一つない。

 今後配備が行われていく陸上自衛隊の地上配備型の迎撃システム「イージス・アショア」や、空自の早期警戒機「E-2D」、海上自衛隊のイージス艦とリンクし、統合打撃力を高めていく。

 そのネットワーク化が進むと、F-15やF-2は一気に旧式化してしまう。F-35の追加調達は今後も段階的に行われていくだろう。

 ■菊池雅之(きくち・まさゆき) フォトジャーナリスト。1975年、東京都生まれ。陸海空自衛隊だけでなく、各国の軍事情勢を取材する。著書に『こんなにスゴイ! 自衛隊の新世代兵器』(竹書房)、『ビジュアルで分かる 自衛隊用語辞典』(双葉社)など。