【喫煙を考える】加熱式たばこ規制に違和感 ニコチン濃度約30倍以上差異のカラクリとは

健康増進法改正案

★「望まない受動喫煙」対策(下)

 受動喫煙防止対策を強化する厚生労働省の健康増進法改正案が、来週にも閣議決定する。

 2月22日に行われた自民党の厚生労働部会が了承した。焦点となっていた飲食店の規制は、「個人経営または資本金5000万円以下の店で、客席面積100平方メートル以下」の既存店なら、「喫煙」「分煙」などの表示があれば喫煙専用室がなくても喫煙可。大型チェーン店や新規店舗が規制の対象となる。最近利用者が急増している加熱式たばこも規制対象とする。

 部会の決定には賛否両論あるが、2020年の東京五輪・パラリンピックに間に合わせるには「取りあえず今の案で通すのが先決」というのが大方の見解だ。しかし、加熱式たばこを対象とすることに対しては違和感を唱える声が多い。

 厚労省案では「加熱式たばこの主流煙にニコチン等の有害物質が含まれていることは明らかである一方、現時点の科学的知見では、受動喫煙による健康影響は明らかでない」とし、「当分の間、喫煙専用室又は加熱式たばこ専用の喫煙室(喫煙専用室と同様に、室外への煙の流出防止措置を講じたもの)内でのみ喫煙を可能とする」としている。

 規制対象の根拠とした資料も示しているが、国立がん研究センター委託の「たばこ情報収集・分析事業」によるニコチン濃度の調査では、「(換気のない狭い室内で)室内のニコチン濃度を測定した」場合、紙巻きたばこが1000~2420μg/m3で、加熱式たばこは26~257μg/m3と、5分の1から10分の1程度。しかも、その紙巻たばこのニコチン濃度は、過去にIARC(国際がん研究機関)が発表した30μg/m3と比べて大きく開きがある。低い値の1000μg/m3で約30倍以上の測定値となっている。

 国立がん研に今回の調査元、詳細な調査方法を聞いてみたところ、「公表していない」との回答だった。

 たばこ煙のニコチン濃度は、調査環境や条件により異なる。しかし、紙巻きたばこと比べて明らかに濃度が低く、さらに、ニコチンの健康リスクも科学的に明らかになっていない現時点で規制の対象にする必要があるのだろうか。