コロナの波「2カ月周期説」本当か 理論上では年末に「第6波」 識者「学者の間で指摘も…ワクチンの効果など否定するものではない」

 国内の新型コロナウイルス感染者が急速に減り続けるなか、感染の波が2カ月ごとに増加と減少を繰り返す「2カ月周期説」が話題だ。これが事実なら、感染者が今月にも底を打って増加に転じた場合、年末にかけて「感染第6波」が来ることになるが、信憑(しんぴょう)性はあるのか。

 10日の東京の感染者は60人、全国で553人といずれも今年最少。専門家らが明確な根拠を示せないまま減少が続く。

 感染の波について、「2カ月周期説」を伝えたのは米紙ニューヨーク・タイムズ。2019年末の流行開始以降、感染が約2カ月間急増し、その後、約2カ月間減少するというものだ。世界的な患者数は今年2月下旬から4月下旬にかけて増加した後、6月下旬まで減少。8月に再び増加しており、増減の波は「人間の行動が明らかに変化していない時にも発生している」と報じた。

 日本の動向はどうか。昨年の「第1波」は4月中旬にピークとなり、6月にかけて減少したが、8月中旬に「第2波」が再来。10月にかけて減少した後、年末にかけて上昇に転じた。

 今年の東京都の新規感染者数(7日間平均)=別表=をみても、1月中旬がピークの「第3波」が終わり、3月上旬に底を打った後、5月中旬に「第4波」のピークに。さらに6月中旬の底から8月中旬に「第5波」のピークを迎えている。感染減のペースは1~2カ月の幅があるが、増加はいずれもほぼ2カ月間続いている。

 東北大災害科学国際研究所の児玉栄一教授(災害感染症学)は「天然痘や麻疹(はしか)、スペインかぜも周期があったとされるが、新型コロナの周期もウイルス学者の間で指摘されている。ただ、必ずしも感染対策や人流抑制、ワクチンの効果などを否定するものではなく、ピーク時の感染者総数や発症の度合いの低減に十分に寄与しているとみるべきだ」と指摘する。

 現状は「第5波」のピークである8月中旬から2カ月近く減少が続いているが、過去の例が繰り返される場合、今月底を打って増加に転じた場合、12月に再度ピークを迎えることになる。児玉氏は「12月ごろにピークは迎えても、感染者の総数は第5波より大幅に減るのではないか。『2カ月』という周期は感染者数や新たな変異株の出現に左右されるだろう」とみる。

 従来の施策を見直すべきだとの意見もある。医療ジャーナリストで医師の森田洋之氏は「周期説を含めて第5波までのデータを経験的に振り返る必要がある。行動制限や自粛など人流抑制一辺倒ではない施策を第6波までに考える機会ではないか」と指摘した。