【日本の解き方】立憲民主党との違い明確、存在感示し始めた国民民主党 法案と改憲論議で維新と連携、自公やその他野党への影響も

「非共産」を明確にした国民民主の玉木代表

 国民民主党は衆院選後、日本維新の会との連携を確認するなど、立憲民主党との路線の違いを明確にしている。

 日本の政党史で、1960~94年に存在した民社党がある。右派社会主義政党であり、リアルな安全保障、反共産主義が特徴だった。

 その後、「非自民・非共産」の新進党に吸収されたが、その流れは民主党、希望の党を経て、国民民主に引き継がれているようにみえる。共産党との共闘に難色を示す連合など労働組合からの票が期待できるので、旧民社スタイルは大いに参考にすべきではないか。

 共産は、先の国会での首相指名選挙で、衆院選で共闘した立民の枝野幸男代表(12日に辞任)に投票した。志位和夫委員長体制が約21年と長期化するなか、党方針の無謬(むびゅう)性を貫き、立民との共闘を継続するつもりだろう。

 立民は当面、共産と距離を置くことは難しくなる。共産の「抱きつき」とみることもできる状況で、国民民主としては「非共産」で立民との違いを明確化しやすい状況だ。

 安全保障に関してリアルなスタンスで防衛費の増額などを主張するのも、中国の日本への脅威が現実化しつつある中で、国民が抱える不安への対応として時宜を得ている。

 かつての民社党は、野党として改憲議論までなかなか踏み込めなかったが、国民民主は今や維新とともに、政界において改憲議論をリードしようとしている。

 国民民主は労働組合の依存度では維新とはまったく違っているので、この点で両者が共同歩調をとることはまずあり得ないが、その他の個別政策で一致点は少なくない。

 国民民主の衆院の議席数は11と多くないが、維新の41と合わせると、予算関連法案を提出できる50を超えるので、両党にとって共同提案のメリットは大きい。

 報道によれば、維新が求めた議員歳費の2割を削減する法案と、国民民主が求めた揮発油税(ガソリン税)のいわゆる「トリガー条項」の凍結解除法案について、共同で提出することで合意したという。ともに予算関連法案であり、両党でそれぞれ検討されてきたものだが、共同提案によって政策実現への第一歩を示すことができる。

 これらの法案に対して与党はどのように対応するのか。無視することも可能だが、国民向けには何らかの対案を出さざるを得なくなるだろう。

 国民民主と維新は、国会の憲法審査会を毎週開くことも合意している。自民党はこれまで、与党の公明党の消極姿勢と、一部野党の反対を奇貨として、憲法改正に熱心に取り組まなかったとも言われている。改憲に熱心な野党が出てきたことで、自公の姿勢がどうなるのかも焦点になる。

 こうした国民民主と維新の一連の動きが、その他の野党にもどう影響するのかにも注目したい。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)