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国の税収減で騒ぐ人の思惑 「アベノミクスの限界」は言い過ぎ、増税派が牽制か (2/2ページ)

 さらに、16年度前半の円高進行により企業が納める法人税収が伸び悩んだのも大きかった。

 これらをもって「アベノミクスの限界」「成長頼みの行き詰まり」というのは言い過ぎである。消費増税の悪影響や一時的な円高により、アベノミクスの効果が損なわれたとみるほうが正しい。

 「アベノミクスの限界」という人の多くは、6月に決めた骨太の方針で、財政再建姿勢が後退したと批判する。こうした人たちは14年4月の消費増税についてはやるべきだと主張していた。増税で経済成長が腰折れしたことが税収減の主因であるにもかかわらず、再び消費増税を主張するのは理解に苦しむ。確実な税収増のためには、より高い名目経済成長が必要なだけなのだが。

 消費税率10%への再増税は、当初は15年10月からとされていた。しかし、安倍晋三政権が17年4月に延期し、さらに経済状況の悪化で19年10月に再延期した。実際に、それを実行するかどうかは18年中に決めなければいけない。安倍政権は20年の憲法改正を目指しており、国民投票もあるかもしれない。

 こうしたことを背景として、三たび消費増税が見送られないように、増税派が今から牽制(けんせい)球を投げているとみたほうがいいだろう。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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