記事詳細

井上綾さん、父の残した仕事を世間に 亡くなって7年…恩返しの思い込めて出版決意 (3/3ページ)

 --読者にメッセージを

 「みんなが普通にわかっていることをあえて言葉にする作業が、本当に難しいということを、父の文章から感じ取っていただければうれしいです。私の文章については、あったことをそのまま、素直に書いて伝えるということがいちばん難しかったです」

 ■内容 作家・井上ひさしが肺がんで亡くなる5カ月前までの5年間、晩年は息苦しさや体力も衰えていく中、3人姉妹の次女との間で交わした「往復書簡」がよみがえった。当時、「月刊いちかわ」の編集部に在籍していた綾さんは、ひとり暮らしで精神的に不安定な日常を送っていた。そんな愛娘を気遣い、あくまでも優しく、しかし甘やかさず、言葉の力でいたわり励まし続けたひさしさんの、父親としての愛情が行間に溢れる。綾さんの素直な文章も、父親譲りで好感が持てる。

 ■井上ひさし(いのうえ・ひさし) 1934年、山形県生まれ。浅草フランス座文芸部兼進行係などを経て、戯曲『日本人のへそ』、NHK人形劇「ひょっこりひょうたん島」などを手がける。『手鎖心中』で直木賞。『しみじみ日本・乃木大将』『小林一茶』で紀伊國屋演劇賞と読売文学賞戯曲賞。『吉里吉里人』で日本SF大賞と読売文学賞小説賞、ほかに菊池寛など賞多数。2010年、75歳で没。

 ■井上綾(いのうえ・あや) 1965年、千葉県生まれ。井上ひさしの次女。

zakzakの最新情報をSNSで受け取ろう