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文政権“劇薬”政策に波紋 予測不可能な韓国、老舗メーカーは日本抜く最低賃金で逃げの様相 (2/3ページ)

 韓国銀行は「人口の高齢化が急速に進み、潜在成長率がさらに下落する恐れがある」と警告。「成長潜在力を拡充する構造改革を積極的に推進する必要がある」と指摘しているが、文政権の経済政策は「分配」の突出ぶりに比べて、産業競争力を高める構造改革の存在感は薄い。新産業の育成のため、8月に大統領直属の「第4次産業革命委員会」を設置したが、人工知能(AI)分野の競争力を高めることや次世代の超高速無線通信(5G)の構築を急ぐことなど新味を欠く内容にとどまる。韓国メディアの多くも、文政権の掲げた1万ウォンの目標は、日本が経済規模や国民所得で大きく韓国を上回っていることを踏まえると「過度」という見方を示しており、企業経営を圧迫する“劇薬”には早くも、副作用が出ている。

 韓国の国内上場企業第一号という老舗繊維メーカーの京紡はこのほど、主力の光州工場の生産設備をベトナムに移転すると発表。同じ繊維大手の全紡も国内事業所6カ所中3カ所を閉鎖することを決めた。朝鮮日報(電子版)によると、京紡は「最低賃金の引き上げ率を10%と予想していたが、それをはるかに上回る16.4%に決まり、忍耐の限界を超えた」と、ベトナム移転の理由を説明したという。また、韓国経済新聞などは京紡の キム・ジュン会長が「事業をするうえで最も難しいのが不確実性。韓国は予測不可能な市場になってしまった」との嘆きのコメントを伝えた。

 ただ、朴槿恵(パク・クネ)前政権の経済政策への不満や財閥批判が吹き出している中、こうした企業の“韓国離れ”の兆候が文大統領の政策姿勢をすぐに変える可能性は今のところ低そうだ。むしろ、韓国政府では最低賃金の引き上げに続き、経営者へさらなる分配を迫る大企業・富裕層増税の検討が進んでいる。最終利益2000億ウォン(約200億円)以上の企業の最高税率を現在の22%から25%に引き上げる案や国民の0.08%程度とされる超富裕層を狙い撃ちした増税案が俎上にあり、国民の大半は増税を支持しているという。

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