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【識者に聞く 分裂2年 山口組】身動きとれぬ三すくみ、自滅待つ持久戦へ 暴力団社会の中でも変わってきている山口組の見方 (2/2ページ)

 --山口組は神戸山口組の分裂をどう捉えているのか

 「神戸山口組と任侠山口組が潰し合ってくれればいうことはない。当面は静観し、利用できるところは利用しようとするでしょう。ただ、山口組は自分たちの事情で分裂しておきながら、対立する神戸山口組との付き合い方で他団体を敵味方と分けており、暴力団社会の中でも山口組への見方が変わってきている」

 --末端の組員は現状をどう感じているのか

 「分裂当初は動乱を出世のチャンスと捉えている人もいたが、今や敵が誰かも定かではなく、抗争をしかければ処分される可能性もある。会費を吸い上げられる一方、抗争には多額の経費がかかり、シノギ(資金獲得活動)もできなくなるから『上の方で勝手にやってくれ』となっている」

 --今後の3つの山口組の動向は

 「三すくみになると、どこかとどこかが衝突すれば割って入り、漁夫の利を得ようとする組織が出るため、なおさら動けなくなっており、互いに自滅を待つ持久戦になりつつある。この状態が長引けば一本化への道は険しくなるし、しこりも大きくなっていく。トップが腹を決めない限り、事態は前に進まない」

 ■鈴木智彦(すずき・ともひこ) 1966年、北海道生まれ。日本大学芸術学部写真学科除籍。雑誌や広告のカメラマンとして活動。実話誌『実話時代』編集部などを経てフリーライターに転身し、暴力団関連の記事や著作を執筆。著書は東京電力福島第一原子力発電所に潜入取材した『ヤクザと原発』(文芸春秋)など。

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